米CBSで放送中の「S.W.A.T.」にヴィクター・タン役で出演中のデヴィッド・リムが米エンタメサイトのインタビューに答えた。
デヴィッドが注目を集めたのは、米ABCのドラマシリーズ「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」。その好演から、「S.W.A.T.」のオーディションにも自信を持って臨んだが、結果は不合格。肩を落としたのもつかの間、風向きは突然変わった。
それは映画『ワイルド・スピード』シリーズや「SCORPION/スコーピオン」でも知られる台湾系の監督・プロデューサー、ジャスティン・リンの直感だった。
「S.W.A.T.」の製作総指揮者の一人であり、パイロット版の監督を担当したリンは、撮影の数週間前に、当時のS.W.A.T.メンバーをもう一人増やすことを提案した。そうすれば完璧だと。
同じ製作総指揮者の一人、ショーン・ライアンはその提案から、すぐ頭に浮かんだのがデヴィッドだったという。デヴィッドは他の役でオーディションを受けていた。不合格ではあったものの、その演技はライアンたちの印象に残っていた。デヴィッドにぴったりな役を作り上げるのに時間はかからなかった。
リンの直感がなかったら、デヴィッドの人生は大きく変わっていたかもしれない。まさにギリギリで滑り込んで役をゲットしたのだ。
「S.W.A.T.」の撮影休みには、モデルの女性とチェコスロバキアのプラハで結婚式を挙げたばかり。仕事、プライベートともに、デヴィッドは人生の絶頂期を迎えている。
好調な人生は、デヴィッドが賭けに勝った証しでもある。
デヴィッドはカリフォルニア大学サンディエゴ校で電気工学を専攻したエリート。エンジニアとしても明るい未来が待っていた。卒業後、安定した仕事に就いてはみたものの、デヴィッドには、これじゃない気持ちがぬぐえなかった。そして仕事を辞めて、ロサンゼルスへ。息子の大博打に驚いたのはデヴィッドの両親だった。
「両親は少なからずショックを受けたと思うよ。9時5時の安定した仕事を捨てて、ロサンゼルスに向かい、俳優になったんだから。180度の転換だったね。彼らの胸中は穏やかではなかっただろうけど、応援はしてくれた。僕が夢中になれるものを追いかけてほしかったんだろうね」
今では、「S.W.A.T.」を欠かさず視聴、時折り撮影スタジオに顔を出すこともあるというデヴィッドの両親。誇り高き自慢の息子だ。
ギリギリで滑り込んだ「S.W.A.T.」の椅子だったが、その場を一番楽しんでいるのはデヴィッドなのかも。もはや願えば叶う、デヴィッドの夢は何だろう。
「なんでもやってみたい。今は『S.W.A.T.』に出ているけれど、僕はずっとアクションヒーローになりたかったんだよ。皆を救い、可愛い女の子と付き合うのさ。見てる人が画面に釘付けになり、カウチから腰を浮かしてくれるような緊迫したアクションシーンにはしびれるよ。だけど、それだけじゃなく、愛に包まれたストーリーや、人種をテーマにしたストーリー、仲間同士の友情を描くようなストーリーもいいね。つまり、それが『S.W.A.T.』なのさ。僕は、今、夢を叶えているんだ!」
<「asianfortunenews.com」 2018年11月1日>