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海外ドラマ最新レポート Vol.126 祖父は複数の家庭を持っていた 死後に判明した自身の家族の秘密を「ミセス・ウィルソン」でルース・ウィルソンが演じる

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敬愛する亡き祖父に秘密の家庭があった。
 
そんな衝撃的な家族の秘密をドラマ化したのが、「アフェア 情事の行方」の英女優ルース・ウィルソン。
 
製作も兼ねた、ウィルソン家のドラマ「ミセス・ウィルソン」で自身の父方の祖母アリソンを演じるのが、ルース当人である。
 
1930年代のインド、1940~60年代のロンドンが舞台の「ミセス・ウィルソン」はルースの祖母の実話をもとに、祖母の忘備録と家族の思い出を元に製作された。
 
米エンタメ誌で、ルースがインタビューに答えている。
 
激動の人生を送った祖母が亡くなったのは、2005年、ルースが21歳の時だった。祖母の息子たち、つまりルースの父と叔父はすでに祖母の忘備録から、祖父が別の家庭を持っていたのを知っていた。ところが、祖母が亡くなってから、別の2つの家庭から「私たちの父親とあなたたちの父親は同一人物である」との書簡をもらったのだという。
 
「ひどくバカげた、滑稽な話でしょう。そこで、じゃあ皆で会ってみようとなったんです。叔父がまとめ役となって彼の家に集まりました。40人以上の人が同じ苗字で、誰々の息子、娘という名札をつけたんですよ。(祖父の)妻たちは皆亡くなっていました。だから次の世代の集まりですね。私たちは皆、この壮大なストーリーの一員であることを楽しんでいるのです」
 
もっとルースを驚かせたのは、家族に流れる才能の血筋だった。祖父アレクサンダー(アレック)は、生前、諜報員であり小説家という顔も持っていた。
 
「祖母は私がプロの女優になる前に亡くなりました。そして(新しい)家族と出会って分かったのは、彼らにストーリーテリングの才能があるということでした。新しい家族には、作家や俳優、監督、詩人もいます。愉快なことに、ウィルソン家の秘密を世に出そうと言い出したのは私じゃないんですよ。皆、私に『ドラマにしましょうよ』って言うんです。『私は97歳だから早くして頂戴』なんて言う人もいました。だからドラマ化には全然問題なかったんです。摩訶不思議なストーリーを世に出すのは当然といわんばかりでした」
 
その摩訶不思議なストーリーは主として、ルースの祖母の目を通して語られる。つまり祖母の主観だ。
 
「だから私が演じなきゃと思いました。祖母の複雑な胸中や真実を、私がきちんと演じることで祖母を守りたかった」
 
ルースには祖母の声の記憶がない。だから「自分ではよく知ってるように思っている人を、必死で思い出してるような気がして不安だった」とはルースの正直な気持ち。それでも祖母の歩き方やどんな服装を好んだかは覚えていたから、それを役に反映した。少しでも祖母に近づきたかった。
 
「祖母はまさかドラマ化されるなんて夢にも思わなかったでしょうね」とルース。そして祖母の忘備録は年内に書籍として発行されるという。ストーリーが世に出るとしたら、完全な形で送り出したかったのだ。
 
ドラマの完成後、ウィルソン家約50人で試写会を行った。見終わった後はお互いを抱きしめ合い、涙を流した。奇妙な家族の秘密が歴史に変わった瞬間を、ルースは「私たちにとって、刺激的かつ癒しでもありました」と語っている。
 
 
<「hollywoodreporter.com」 5月30日>