米でのコメディ視聴率ナンバーワンの座を維持したまま、今年5月、シーズン12で放送を終了した「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」。今度は、ストリーミング市場で超ホットな存在になっていると、米エンタメ業界紙が伝えている。
米国では、ネットフリックスやアマゾン、Hulu、CBSアクセスなど有料ストリーミング映像配信サービスが激しい競争を繰り広げている。2020年春にはHBO系の新ストリーミングサービス、HBO Maxがスタート。さらに競争は激化しそうだ。
ネットフリックスを始め、各ストリーミングサービスはオリジナルコンテンツで購読者を増やしているが、一方で力を注いでいるのが、TVの過去コンテンツの発掘だ。
特にシットコムは、ヘビーなコンテンツが集まりがちな中、ライト感覚で視聴できる貴重なコンテンツ。すでにTVで成功したシットコムならば、当時のファンからの支持はもちろん、新規ファンの獲得も十分期待できる。
その予想を確かなものにしたのが、「フレンズ」の成功だ。1995年から2004年まで米NBCで放送されていた大人気シットコムは、その後も繰り返し再放送されていたが、2015年にネットフリックスで全話イッキ・ストリーミングが始まると、人気は再燃。新しいファンを獲得し、ネットフリックスの人気コンテンツの一つとなった。
この人気に目をつけたのが、HBO Maxだ。親会社が「フレンズ」の権利を所有するワーナー系列ということもあり、「フレンズ」の放送権を4億2500万ドル(約452億円)でネットフリックスから奪取した。
このビッグな取引に色めきだったのが、他の人気シットコム。中でも名プロデューサーのチャック・ロリーが製作した「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」と「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」の2大ヒットに注目が集まっている。
「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」は放送が終了したばかりで、今でも多くのファンを引きつけていること、「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」は有名スターの主演で知名度は大、再放送でも人気を稼いでいることから、ハズレの無いコンテンツとみられているのだ。
すでに「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」だけでも、「フレンズ」の2倍以上、10億ドル(約1063億円)の値段がつくと言われている。加えて「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」とのペアで、15億ドル(約1595億円)程度での契約が見込まれている。
両シットコムをめぐり、現在HBO Maxが交渉中。ビッグな額だけにスンナリとはいかないが、契約締結は時間の問題とも言われる。来年以降、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」の新天地での人気再爆発は間違いなさそうだ。
<「deadline.com」 8月12日>