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海外ドラマ最新レポート Vol.158 「MANIFEST/マニフェスト」の米俳優ジョシュ・ダラス、演技は英国仕込み

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米国のTVや映画には、同じ英語圏という強みを生かし、たくさんの英国人俳優が出演している。「スタートレック ディスカバリー」のジェイソン・アイザックス、「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」のジョニー・リー・ミラー。
 
逆に、米国から英国で活動する俳優は意外と少なく、米国で生まれた後、幼少期に英国に一時住んでいた「Xファイル」のジリアン・アンダーソンがその一人。さらに「MANIFEST/マニフェスト」に出演中のジョシュ・ダラスもかつて英国で俳優活動を行っていたという。
 
ジョシュは米ケンタッキー州生まれ。同州は米中東部に位置する、いわゆる田舎。高校生当時、ジョシュは、外国はおろか、ケンタッキー州と隣のインディアナ州を出たことがなかったとか。
 
ジョシュの通った高校は芸術と演劇に力を入れていた。一年生の時、その高校であるオーディションが行われた。米国を中心に世界中の演劇学校が集まった入学選抜だった。
 
「一回のオーディションがすべての演劇学校の入学選抜を兼ねてたんだ。そのオーディションから数週間して、僕は一通の手紙をもらった。ロンドンの演劇学校からで、僕に学費を含めた奨学金を支給してくれると書いてあった。断るなんて考えられないオファーだったよ」
 
こうして16歳のカントリーボーイは海を渡った。演劇レッスンなど受けたことのなかったジョシュだから、演技の全ては英国仕込みだ。
 
「演技は学校で全部教わった。その学校では技術面に重きをおいていたんだ。台本の読み方、声の出し方、動き方。演技のために自分が創造しなきゃいけない全てを教えてもらった」
 
演劇学校のクラスはかなりハードだったとか。「最初の一年間はとにかく基礎を習った。それと自分が得意なことを繰り返して、さらに伸ばしてくれた。ところが二年目になると、今度は自分が苦手なことばかりやらされたんだ。一日16時間もやるんだよ、それが自分が苦手なこと、嫌いなこと、つまりやりたくないことばかりさ。だけど、今はそれで良かったと思ってる。自分の得意なことばかりやって何になる?自分の弱点を知らなきゃね、それをどう対処するか、どう克服するか。最後の3年目は実践だよ、舞台に立つんだ」
 
基礎をみっちり。英俳優が米国で活躍する裏にはこんな努力があったのだ。
 
卒業後も英国に残ったジョシュは、舞台やTVで活躍。計11年、英国で活動した後、米国へ帰国した。英国仕込みの演技は祖国で歓迎され、「ワンス・アポン・ア・タイム」や映画『マイティ・ソー』など大役を次々手中に収めている。
 
現在出演中の「MANIFEST/マニフェスト」は、消えた5年間の謎を解くスリリングなミステリー。摩訶不思議なストーリーとて、演技の基本はすべて同じ。ジョシュはどんな演技を見せてくれるか、乞うご期待。
 
 
<「bustle.com」 7月30日>