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海外ドラマ最新レポート Vol.190 「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」のジョン・マイケル・ヒル ベル役を演じるにあたり、極めて大切だったこと

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エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」でNY市警のマーカス・ベル刑事を演じるジョン・マイケル・ヒル。童顔の親しみやすい顔立ちが、シリアスな犯罪解決ドラマを時にやわらげる人気者だ。レギュラーとして、シーズン1の第2話より登場しているジョンが、米紙のインタビューに答えている。

 

「ここまで長く一つのキャラクターを演じ続けるって稀なことだよね」とジョン。本国米での放送全7シーズンをずっと出演者として歩んできた。シカゴの有名劇団ステッペンウルフ・シアター・カンパニーに所属する実力派だが、実はTV、映画のキャリアはそれほど深くない。それでもTV初出演が「デトロイト 1-8-7」のレギュラーというから、役者としてはエリート街道を歩いている。

 
エリートだから、というわけでもないだろうが、ジョンが「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY」でベル刑事を演じるにあたり、極めて大切だと感じていたことがある。それはシャーロック・ホームズを取り巻く警察の描かれ方。
 
「小説に出てくるレストレード警部ってのは、ある意味、引き立て役だし、シャーロックにボコボコにやられる情けない役割だよね。だけど『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY』の脚本家たちはNY市警をそんな様には描かないと決めていたらしい。それって僕にとっては極めて大切なポイントだったんだ」
 
レストレード警部とはアーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズに登場するスコットランドヤードの警部のこと。私立探偵に事件協力のお伺いをたてる頼りないキャラクターだ。
 
そんな間抜けキャラは演じるに気が進まない、ジョンの偽らざる気持ちだったのだろう。そうしてこうして、ジョンが演じたのはシャーロックとは正反対の熱血漢ベル刑事。
 
「マーカス(・ベル刑事)のストーリーを振り返らなきゃならないとしたら、ちょっぴり恐ろしい気分になるよ。全部で155話あると思うのだけど(本当は154話)、山あり谷ありさ。脚本家たちは、彼にいろいろな試練を与えたよ」
 
ベル刑事は、ただシャーロックの捜査に手を貸したり、時には不平を漏らしていただけではなかった。恋愛もあれば、危険な目に遭わされたことも。「自分のキャラクターを成長させる必要があった。TV俳優として自分の強みを確立するのも大切だったし、とにかく毎日毎日働き続けることも学んだ」
 
シーズン6では監督にも挑戦した。演技という自分の得意分野から飛び出してはみたものの、初めての連続にもがき苦しんだ。役者としても、監督としても、素晴らしい経験を与えてくれた番組に心から感謝している。
 
ジョンの次なる挑戦は何だろう、待ちきれないと思っているはずだ。エリート役者はその苦しみさえ、後の感謝に変える自信があるから。
 
 
<「chicagotribune.com」  2019年7月23日>