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海外ドラマおすすめコラム vol.40 米ドラマ界の2大ビッグネームのタッグ結成が頼もしい! 日本独占初放送『ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド』

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3月のスーパー!ドラマTVで注目すべき1本は、日本独占初放送の『ママさん刑事ローラ・ダイヤモンド』だ。
 
主演が『ふたりは友達? ウィル & グレイス』(エミー賞コメディシリーズ主演女優賞受賞)や『SMASH』で海外ドラマ好きにおなじみの人気女優デブラ・メッシングで、製作総指揮と第1・2話の監督がドラマ『CHUCK/チャック』など、ドラマ界と映画界の両方で活躍するマックGという2大ビッグネームが結集。
 
実は本作、2009~14年にスペインで放送され、裏番組『CSI:科学捜査班』を圧倒したヒット作で、イタリア、ロシア、オランダでもリメイクされたTVドラマが原作。子育てと仕事の両方で忙しいNY市警2分署のシングルマザーの刑事ローラ(メッシング)が活躍する、痛快なコミカルポリスアクション。
 
21世紀の米国の犯罪ドラマはシリアス路線が主流だが、本作のヒロイン、ローラは違法捜査がへっちゃらだったり、みずから囮捜査に挑んだりと、はっきり言ってかなりムチャクチャだ。しかし、浮気をして離婚した夫が上司になった上、双子のやんちゃな息子に振り回される姿は微笑ましく、思わず応援したくなるナイスキャラ。
 
それとこれは筆者のような50歳以上の海外ドラマ好きにしか伝わらないかもしれないが、昔の日本テレビ系の日曜夜10時30分枠、あるいは近年の関東地区でのテレビ東京の平日昼帯枠のどちらかで放送されてもおかしくないタッチ。毎回すっきりとした気持ちにさせてくれるという、TVドラマの原点への回帰を思わせてとにかく楽しい。
 
『CHUCK/チャック』もそうだったが、日テレ系・日曜夜10時30分枠の人気作『チャーリーズ・エンジェル』を2000年に映画化したマックG監督(ちなみに筆者の1歳年下)らしい、“こういう楽しいドラマはTV界から無くしてはならない”という熱い想いが、ぐいぐいと伝わってくる。
 
若い海外ドラマ好きも見れば理解できるのではないだろうか。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2020/2/25】
 
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