ファンタジーホラー系海外ドラマの代表的存在「
スーパーナチュラル」も、米で放送中のシーズン15でフィナーレとなる。ウィンチェスター兄弟の兄ディーンを演じるジェンセン・アクレスは、今年で42歳。主演の一人として、27歳から現在に至るまでを「スーパーナチュラル」と共に駆け抜けた。
そのジェンセン、「スーパーナチュラル」終了にあたり、どうしても欲しいものがあったという。ウィンチェスター兄弟の愛車、1967年型シボレー・インパラだ。「欲しかったね。第2話の時から欲しかった。『番組が終わったら、この車はどうなるんだろう?』ってずっと考えていたんだ」なんとシーズン1から狙っていたというのだから、ジェンセンのインパラに対する思いの強さはハンパなかった。
「そのうち『僕に譲ってくれてもいいんじゃないか?』って思い始めたんだ」
とはいえ、ボディもきちんとメンテナンスされたヴィンテージカーは、米国ならずとも世界中のマニアにとって垂涎の的。主演俳優だからといって、手に入れられる保証はない。(番組が終わったらどうなる?)と悩んでいたジェンセンだが、「スーパーナチュラル」は人気シリーズに成長し、打ち切りになる心配は当分なさそうだった。そこでジェンセンは再び考えた。
「月日が流れていくうちにね、この車のために僕は戦おうと思った。だから毎回出演契約を更新するたびに、この車を僕に譲るよう項目を加えておいたんだ」ジェンセンの願いは、契約書の一項目という形で法的に守られることになった。「プロデューサーたちも『心配するな、大丈夫だよ』なんてウィンクするんだ。だけど僕は心配だった。そりゃ今はそう言ってくれるかもしれないけれど…ってね」
ここは米国。いくら契約書で守られているとはいえ、最後の最後でどんでん返しがあるかもしれないし、他の誰かが狙っていてもおかしくなかった。だから、最後の契約書を作る際に、ジェンセンは本気の勝負に出た。
「僕はもっと大きな(楽屋用の)トレーラーをくれとも、もっと出演料を上げてくれとも、もっと休暇をくれとも言わなかった。とにかく『あの車をくれ!』と言ったんだ」
もはや執念ともいえる、そんなガチの要望にプロデューサーたちも答えないわけにはいかなかったのだろう。インパラは無事、ジェンセンの手に渡った。「僕の家のガレージにちゃんと停めてあるよ。今朝だって、運転してスターバックスに行った、コーヒーを買いにね」
インパラのおかげで「スーパーナチュラル」が終了した寂しさもいくらかは吹っ飛んだ。これからもインパラはジェンセンの良き相棒であり続ける。
<「glamour.com」 10月14日>