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海外ドラマおすすめコラム vol.50  番組史上最大のミステリーは? 「エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY ファイナル・シーズン」

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2021年1月のスーパー!ドラマTVの目玉は、CSベーシック初放送の『エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY ファイナル・シーズン』だ。ベネディクト・カンバーバッチ&マーティン・フリーマンが主演した英国の大ヒット作『SHERLOCK/シャーロック』の2年後に始まり、同じく名探偵ホームズを主人公としながらその相棒ワトソンを女性に変える斬新なアイディア、そして各エピソードのミステリードラマとしての完成度の高さを売りにロングランしてきたが、惜しくもこのシーズン7=最終章で幕を下ろす。
 
実は本作、年間全米視聴者数が前シーズンより約200万人も減ってしまったシーズン6で終了すると噂されたが、恐らくは世界的人気の高さからか、もう1シーズンとなって作られたと思われる。だからかエピソード数が13話に減ったとはいえ、スタッフもキャストも『エレメンタリー~』でやり残したことは無かったかと自問したのではないかという、充実した“フィナーレ”となっている。そもそもシーズン6の終わりでホームズ(ジョニー・リー・ミラー)もワトソン(ルーシー・リュー)もロンドンに行った、というのは番組的にもみごとなクライマックスになり得たはずで、確かにそこで番組は終わってもよかったのかもしれない。
 
しかしこのシーズン7、ニューヨークに帰ってきたホームズとワトソンのパワーアップに刮目させられながらも、彼らの関係が熱愛に発展するか、それとも最高の相棒同士でいるかという“番組史上最大のミステリー”に心を動かされ続ける。以下はあくまで番組の大ファンである筆者からの希望で、ネタバレにならないよう表現すると、ホームズの職業が定年が無い私立探偵であることを活かして最高のコンビ、ホームズ&ワトソンは、これからもっと長い間、“長編スペシャルで時々帰ってくる”スタイルで私たちファンと再会してほしいと願う。そんな名コンビ、まだしばらく目が離せないのだ。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2020/12/25】
 
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