「
THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」で皇帝ピョートルを演じるニコラス・ホルト。共演のエル・ファニング同様、子役時代から注目され、『X-MEN』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など大作出演も相次ぐ売れっ子スターだ。『アバウト・ア・ボーイ』でブレイクした時はまだ12歳だったニコラスも現在31歳。パートナーでモデルのブライアーナ・ホリーとの間に2年半前、男児を授かった。名前は公表していないが、2歳児の父なのである。
「父親になって分かったのは、僕が父親を見ていたように、自分の息子には僕を見てほしいということ。息子に尊敬されるような男になりたいんだ。父親は皆同じ考えだと思う」 ニコラスの父親はパイロット。一年中空を飛び回り、家を空けることが多かった。その分、母の愛情をたっぷり注がれ、ニコラスは二人の姉妹と共に成長した。不在がちではあったが、父を尊敬する気持ちは人一倍。大人の男になって、父と同じようになりたいと願う心の底には、売れっ子スターゆえ家を空けがちな自身の呵責があるのかもしれない。
そんな自責の気持ちが昨年は一変した。新型コロナウィルスのパンデミック。コロナ禍は“ステイホーム”という新しい生活様式をもたらしたからだ。ニコラスが関わっていた作品でも撮影がストップした。ニコラスは新しい家族が出来てから初めて長い時間を一緒に過ごすことができたのだ。「長い休みを取ったことがなかったんだ。おかげで、僕は息子と一緒に素晴らしい毎日を過ごせた。こんな時間が必要だったと分かったよ」
これまでは仕事をしない時間を不安に感じていたのかもしれない。浮き沈みの激しいハリウッドスターの宿命だ。「今回のようなことは珍しいよね。全てがストップして仕事ができなかったのだから。皆が何かに責任を感じたり戸惑ったりすることなく、家族との時間に専念できたんだ。僕にとってはプラスなことが多かったよ。こんな事態じゃなかったらと思ったのは当然だけどね」
「息子よ、父を尊敬しているか?」 このステイホーム期間で息子との絆が深まったことは実感している。再び撮影が始まれば家を空けることは多くなるだろう。けれど、この問いかけを止めることはない。コロナ禍の中、ニコラスにとって人生の目標が一つ定まった。
<「aceshowbiz.com」 2020年12月31日>