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海外ドラマ最新レポート Vol.278  「メンタリスト」のサイモン・ベイカーが明かす ハリウッドに戻らない理由

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メンタリスト」で主役のパトリック・ジェーンを演じたサイモン・ベイカー。ひょうひょうとした演技と人懐っこいスマイルで日本でも人気のスターだ。劇中、完璧な米国アクセントの英語を話しているだけあって米国人と思われがちだが、実はオーストラリア・タスマニア州の生まれ。地元のTVシリーズで活躍の後、ハリウッドへ。出演した映画(『L.A.コンフィデンシャル』『プラダを着た悪魔』など)では主役の座を勝ち取ることは難しかったが、TVシリーズ「堕ちた弁護士~ニック・フォーリン~」で初主演、続く「メンタリスト」が大ヒットし、世界的なTVスターとなった。

 

2008年にスタートした「メンタリスト」は全7シーズンで終了。前番組の熱の冷めないうちに、次作を探すTVスターが多い中、サイモンはのんびりしていた。なんとハリウッドを引き払い、オーストラリアに帰国してしまったのだ。「メンタリスト」でしっかり稼いだとはいえ欲がない。そこがサイモンの魅力といえば魅力。「メンタリスト」以降は、2017年に映画『ブレス あの波の向こうへ』をオーストラリアで初監督。主演も兼ねた同作は興行的には成功しなかったが、作品としてはまずまずの評価を得た。その後、米映画『Here and Now』をはさみ、次の作品が公開待機中の『High Ground』。やはりオーストラリア映画で、サイモンが主演と製作総指揮も兼ねている。

 

帰国して以降、小粒な作品への出演が続く。ファンならばもっと注目を集める作品でサイモンのニヤリが見たいと思うのは当然だ。しかし、そんな願いはもう叶わないのかもしれない。地元紙のインタビューで、サイモンは気になる発言を行っている。今後はハリウッドで大作映画に出演するよりも、オーストラリアでもっと重要なメッセージを持った作品に出演したいと語ったのだ。

 

実は『High Ground』は、オーストラリアの先住民族の歴史がテーマとなっている。サイモンはこの作品に参加できることは自分の俳優人生の中でも特筆すべきものであり、こうした作品に出演を続けたいと考えているのだとか。「このタイプの映画は難しい。映画製作に投資する人たちはお金を出したがらないからね。集客が見込めないと思っているんだ」だからこそ自分の出番だ。世界的なスターダムを、これまで描かれてこなかった先住民族の歴史認知に使いたい。

 

もうハリウッドの見栄の張り合いは御免らしい。これからは自分の伝えたい映画を作る人生だ。見かけだけでない、サイモンはどこまでもイケてる男なのだ。

 

 

<「dailymail.co.uk」  1月21日>