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海外ドラマ最新レポート Vol.300  「ブラックリスト」シーズン8 名物脇役の追悼エピソードを放送

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ブラックリスト」の魅力の一つはクセが強すぎる個性的な登場人物たちだ。ジェームズ・スペイダーが演じるレッドはもちろん、ブラックリスター、協力者らも一筋縄ではいかない人物ばかり。悪であれ、仲間であれ、その個性が強ければ強いほど視聴者にも強烈なインパクトを残す。中でも、DMV(車両管理局)勤務という職権を生かし、“お尋ね人”探しのスペシャリストとしてレッドに協力するのがグレン。レッドもかなりのクセ者だが、グレンはそのレッドをほんろうするほどの変わり者キャラ。
 
時々登場するグレンとレッドの丁々発止は番組にとってはなくてはならない名シーンだった。そのグレンを演じるクラーク・ミドルトンが、昨年10月、ウエストナイル熱が原因で死去した。最新シーズンのシーズン8第6話で、クラークを追悼するシーンが描かれるという。
 
「とにかく彼(クラーク)を気に入ってしまったんだ」 クラークが「ブラックリスト」のオーディションにやってきた思い出を語るのは製作総指揮のジョン・ボーケンキャンプ。
 
当初、クラークは一話限りの役でオーディションを受けていた。しかし、俳優としてのクラークの可能性を信じたボーケンキャンプらが、グレン役を新たに創り出したのだ。シリーズを通して、役を創出までしたのはこの時だけだったという。「僕らはクラークの個性を生かしたいと、グレンなるキャラクターを生み出した。そこからグレンをあそこまで育ててくれたんだ、彼の素晴らしさが分かるというものさ」 印象深いキャラクターだけに意外かもしれないが、グレンの登場はシーズン2から7までの間で、わずか13話のみ。「たった13話だけなんて信じられるかい?クラークの存在は番組のDNAに組み込まれていると思うよ」とボーケンキャンプ。
 
脇役ながら、番組のDNA。これ以上ない称賛だ。番組でクラークの追悼を行いたいと考えたのは当然だったかもしれない。「(レッドたちが)グレンがいなくなったのを知らんぷりするような真似をさせたくなかったんだ。ストーリーの中でグレンの死を扱うべきだとね」(ボーケンキャンプ)
 
視聴者の中にはグレンの死が語られるシーンを悲しく思う人もいるだろう。しかし、それは「ブラックリスト」からの、クラークへ最期の愛を描いたシーンでもあるのだ。
 
 
<「ew.com」  2月12日>