8月のスーパー!ドラマTVの目玉は「S.W.A.T. シーズン4」の独占日本初放送開始。このシーズン4は2020年11月から全米放送。つまりコロナウイルス禍でロックダウンされた間のロサンゼルスで、収録が始まった。ハリウッドで働く人に筆者が聞いたのは、そうしたドラマ・映画の収録現場でキャスト・スタッフはPCR検査を何度も何度も受けて万全を期したという。
本作はそんな歴史的大事件に、真正面から向き合った。同時期に作られた米国の病院ドラマを数本見たが、やはりコロナウイルス禍がある前提で物語は展開するが、本作もそう。恐らくはエッセンシャル・ワーカー(社会の日常を支える仕事に従事する人々)へのリスペクトからだろう。病院ドラマも、警官たちを描く「S.W.A.T.」も、これを避けて通らなかった。第1話はさらにタイムリーだ。前シーズンの最終話「ディアブロ」に続き、メキシコの麻薬カルテルとの戦いを描くが、人種差別に反対するBLM(ブラック・ライヴズ・マター)も盛り込もうとホンドー役のシェマー・ムーアが提案。エピソード題「3世代の17歳」のうち、17歳の1人は28年前のホンドー。1992年のロサンゼルス暴動を振り返っている。
さて当番組、1975~76年に作られたオリジナル版「特別狙撃隊S.W.A.T.」のリブート版だが、そちらは全37話で終わった。筆者は最近、再見する機会があったが、当時としてはアクションに迫力はあるが、あくまで事件解決を重視。一方、現在の「S.W.A.T.」はこのシーズン4の第8話で計74話に到達し、オリジナル版の2倍に到達。最終的に計84話となり、製作が決まったシーズン5で計100話を突破しそうだ。派手な銃撃戦や車・バイクのチェイスを見せ場にした本作だが、このロングランの理由は、シェマーなど関係者たちが現代を生きる人々の群像を描こうとしているからにちがいない。