15シーズン続いた「
スーパーナチュラル」で、ディーン役のジェンセン・アクレスとともに、主役のウィンチェスター兄弟を演じていた、サム役のジャレッド・パダレッキ。青春時代を過ごした「スーパーナチュラル」への思いを米紙に語っている。
完璧なイケメン、というわけではないが、米国のピュアな青年を体現するようなジャレッドは1999年のデビュー以来、順調なキャリアを積んできた。デビュー後すぐに「ギルモア・ガールズ」で好演し、初主演の「スーパーナチュラル」は米TV史に残るロングラン作品となった。その「スーパーナチュラル」の終了が決まると、すぐに新シリーズ「Walker(原題)」主演の座をつかんだ。2021年1月から「Walker(原題)」の主役コーデル・ウォーカーとして、新たなキャラクターを生きているジャレッド。それでも根強い「スーパーナチュラル」のファンにとっては、サムの面影が今も忘れられない。
「『スーパーナチュラル』の一員だった僕たち、そして作品を愛してくれたファンは皆、寂しく思っている。僕だって終了が決まった時は衝撃を受けたほど悲しかったからね」 「スーパーナチュラル」への思いは、ファンと同じ。それでもジャレッドは「スーパーナチュラル」ロスに陥っているわけではないという。「ある意味、『スーパーナチュラル』は決して終わらないのさ。ジェンセンやミシャ(・コリンズ)とは今も話をする仲だ。僕は、22歳から38歳まで『スーパーナチュラル』の一員だったんだよ。作品に関わった、それだけの時間と経験は僕の体の一部になっている」
毎日のように現場で顔を合わせていた「スーパーナチュラル」の面々と会えなくなるのは確かに寂しい。しかし、「スーパーナチュラル」は消えたわけではない、今もジャレッドの体の中にあるのだ。「今すぐサム・ウィンチェスターとして撮影を始めることだって可能さ。だって、彼は僕の中に生きているんだからね。これからもきっと生き続ける」
実際、「スーパーナチュラル」の形見はジャレッドの毎日のあちこちにある。「僕のオフィスには、『スーパーナチュラル』最後の撮影のバミリテープが飾ってある。橋の上で行われた、最後の撮影で使われたものだよ」 ジャレッドのバミリテープは赤、ジェンセンは青だったという。カメラ前の立ち位置を示すテープを、仲間の一人が取っておいてくれたのだとか。 「形見はそれだけじゃないさ! そもそも僕の子供たちの母親(ジャレッドの妻のジュヌビエーブ・コーティズ)とはこの作品で出会ったのだからね。僕らにはもう3人の子供がいるんだよ」 「なんだか言い訳してるみたいだ」と苦笑い。つまりそれくらい「スーパーナチュラル」と縁ある毎日を今も送っていると言いたい。そしてそれは一生続く。
「『スーパーナチュラル』が僕の人生をどれくらい変えたかなんて説明できないね!」 ピュアな青年のようなジャレッドも今年40歳。「スーパーナチュラル」で過ごした日々はジャレッドの中で今も光り輝いている。
<「nytimes.com」 2021年8月21日>