クライムサスペンス・シリーズ「
BONES ―骨は語る―」は、2017年の放送終了後も世界中のファンに愛される人気作だ。その魅力の一つはエミリー・デシャネル演じる法人類学者のブレナンと、デヴィッド・ボレアナズ演じる正義漢のFBI捜査官ブースとのじれったくも愉快な関係。実際の二人の関係はいかに? エミリーが米誌のインタビューに答えている。
「ノーコメントよ」 もちろんジョーク。口にするのも嫌な関係なら12シーズンも続くわけがない。「彼はとても私を大事にしてくれた。本当に最初からよ。それについてはとても感謝しているの」
当時、デヴィッドは「バフィー~恋する十字架~」「エンジェル」で女性ファンの心をつかみ、アイドル的な人気があった。一方のエミリーは映画『コールドマウンテン』『アラモ』などで注目されてはいたものの、まだ一介の若手女優の域は出ず。格差は間違いなくあった。
「(出演が決まる前)何年か女優として活動はしていたけれど、TVシリーズのレギュラーだったことは一度もなかった。だから『BONES ―骨は語る―』は私にとって挑戦だった」 新人に毛が生えたようなエミリーに、スターのデヴィッドが高圧的であっても不思議ではない。「デヴィッドは決して私に、『ああしろ、こうしろ』とは言わなかった。説教をして、私を追い詰めることも、居心地悪くさせることもなかった」
キャリアと人気に格差があったにせよ、デヴィッドとエミリーは対等の関係だった。二人は『BONES ―骨は語る―』のために同じ演技コーチに指導を受けていた。 「私たちは一緒に演技指導を受けていたの。ある意味、二人で毎週カウンセリングに通っていたようなものね。それが良かったんだと思う。だって、私たちは演技のことだけじゃなく、自分たちについてもいろいろな話をしていたから」 米国では夫婦がマリッジカウンセリングを受けるのは珍しいことではない。エミリーとデヴィッドも、演技指導という名目のカウンセリングを受けていたのかもしれない。それはプロデューサーからの要求だったのだろうが、腹を割って話せる時間をもてたことは、若い二人の心の整理になったに違いない。
「それに私たちはある協定を作っていたの。デヴィッドと私は、プライベートのパートナーよりも長い時間を一緒に過ごすわけだから、ケンカすることだってありうる。その時に『今、私は凄く頭にきてる!』とか『イライラさせないでよ!』と口にしても構わないと決めたの」 つまりエミリーとデヴィッドは、お互いの言動に腹を立てることがあっても、それを大ごとにはしないと決めていたというのだ。実際、二人は滅多にそんなことはなかったけれど、この協定があったおかげで、問題を修復することができたという。
時にケンカもしたが、「数えきれないくらい大笑いもした。デヴィッドはまるで私の兄みたいに、イタズラをしかけてきたものよ」 「私とデヴィッドは職場の夫婦」とエミリー。12シーズンも続いた夫婦の仲を支えたのは二人のプロ意識と“カウンセリング”だったに違いない。
<「hollywoodreporter.com」 2019年6月4日>