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海外ドラマ最新レポート Vol.413  「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」のニコラス・ホルト、あの超有名青春ドラマのオーディションに落ちていた

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アンチ・ヒストリードラマ「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」でロシア皇帝ピョートルを演じている英国人俳優のニコラス・ホルト。 現在、大ヒット公開中の『トップガン マーヴェリック』で準主役のルースター役を最後の3人まで争ったが、最終的に選ばれたのはマイルズ・テラー。ニコラスにとって『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に次ぐ大役を手にしたかったに違いないが、テラーの好演を見れば、オーディションは成功だったと見るべきだろう。
 
ニコラスが大人の俳優として名を知られるようになったのは、『X-MEN』シリーズあたり。当時、共演者のジェニファー・ローレンスと交際していたことも理由の一つだ。後に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が大ヒット、次世代の大スター候補の一人である。そんなニコラスもほんの一時期、方向性に悩んだ時期があった。 それはニコラスが18歳の頃。『アバウト・ア・ボーイ』で子役として強烈な印象を与えた後、ティーンエイジャーに成長したニコラスは、英の大ヒット青春ドラマ「スキンズ」に出演していた。 そこでニコラスは「僕と同世代の人しか見てない番組だったから、彼らだけが僕を知っていた」という経験をする。ティーン俳優として母国で行き詰まりを感じたのか、ハリウッドに活躍の場を求めた。
 
けれど、英国からやってきたティーン俳優にハリウッドの水は甘くない。与えられたオーディションは一つだけ、それは「新ビバリーヒルズ青春白書」だったという。 そのオーディションで、同世代の若い俳優たちが懸命に台詞を練習する姿に幻滅したというニコラス、どこかに(自分はスターだ)という気持ちがあったのだろう。沈んだ気持ちのまま、プロデューサーたちの前に立った。 「僕は(オーディションで)一度だけ台詞を読まされた。そしたら彼らは『いいね、ありがとう』とだけ言ったんだ。僕はテープを撮って送りましょうか?と聞いたけれど、彼らは『必要ない』と断られたのさ」 プロデューサーたちは、ニコラスが「スキンズ」の出演者だったことを知っていたはずだ。ただ、「新ビバリーヒルズ青春白書」のイメージに合わないと判断されたのだろう。 不合格。
 
しかし、結果は吉に転じた。 その直後、有名デザイナー、トム・フォードの監督デビュー作『シングルマン』に準主役級で抜擢されたのだ。映画の成功もあって、この役が『X-MEN』シリーズにつながってゆく。 ニコラスが『トップガン マーヴェリック』で役を取っていたら、スケジュール的に「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」には出演できていなかったかもしれない。「新ビバリーヒルズ青春白書」も同じこと。失敗がラッキーを導く運命、それがニコラスのスターの証明なのだ。
 
 
<「hollywoodreporter.com」  11月18日>