ニュース

海外ドラマおすすめコラム vol.71  名作ドラマがアップデート&進化して再始動 ファンは絶対に見逃せない!「CSI: ベガス」

CSI Vegas_yoko.jpg
8月のスーパー!ドラマTVの目玉はCSベーシック初放送の「CSI: ベガス」だ。21世紀を代表する世界的ヒットドラマで、筆者も大好きな「CSI: 科学捜査班」。その終了から6年後に早くも生まれた続編、というか、事実上、「~ベガス」は15年以上もロングランした「~科学捜査班」のシーズン16だ。
 
従来の犯罪捜査ものと異なり、犯行現場に残された物的証拠を重視し、クライムミステリーというジャンル自体をリフレッシュした「~科学捜査班」。そんな前作の開始当初の主要キャラ、グリッソム(ウィリアム・ピーターセン)らがまたCSIで働く姿に、まず心をつかまれる。とはいえこの続編のメインキャラ陣は、女性主任のマキシン・“マックス”・ロビー(ポーラ・ニューサム)らに交代。新旧二世代を共存させる、そのさじ具合が絶妙だ。
 
前作に続いて製作総指揮を務める大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーの映画『トップガン マーヴェリック』と通じる魅力がある。これまで過去のヒット作の続編を作る際、旧作のキャラがみんないなくなるパターンもあった(その上で成功した傑作もあるので全否定はしない)が、本作はグリッソムら(と演じる俳優陣)がまだいて、“マックス”など人種・ルーツが多様な若手捜査官たちが協力し合う点、世界観の進化を感じさせる。
 
各話で事件を捜査しつつ、一方でホッジス(ウォレス・ランガム)が大事件の容疑者となるという連続ドラマの要素も実にフレッシュ。前作を焼き直すだけでなく、アップデートも進化もしているのだ。ちなみに筆者は、ロサンジェルスのユニバーサル・スタジオ(テーマパークではなく撮影所のほう)にあった前作のセットを取材したが、この新作でCSIのラボはより大きくなり、スタッフの気合を感じる。すでに決まったシーズン2では、なんとキャサリン(マージ・ヘルゲンバーガー)も再登場する模様。
 
『CSI:』伝説の新章の始まり。絶対に見逃せない。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2022/7/29】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。海外ドラマのビギナーからマニアまで楽しめる初の新書「『今』こそ見るべき海外ドラマ」 (星海社新書) 発売中。