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海外ドラマおすすめコラム vol.77 引き続いて"ダイバーシティ(多様性)"重視! 最新恋愛ドラマ「LOVE LIFE シーズン2」が到着

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2月のスーパー!ドラマTVのお楽しみは「LOVE LIFE シーズン2」。正直に言うと第1話を見た時、“どう書けばいいのか”とひるんでしまった。というのもシーズン1と大きく異なる点が多く、ネタバレをせずに紹介するのが不可能だから。しかしスーパー!ドラマTVの番組サイトも大枠を明かしているしで、以下、【ネタバレ嫌いの方は第1話視聴後にお読みください】とさせていただく。
 
シーズン1は本コラムのvol.47の通り、人気女優アナ・ケンドリックが演じるダービーをヒロインにし、彼女の恋愛遍歴に接近。だがシーズン2、なんとダービーは脇に回り、新たにアフリカ系男性のマーカス(「グッド・プレイス」でチディ役を演じたウィリアム・ジャクソン・ハーパー)が主人公に。第1話の冒頭、ダービーのその後が少し描かれるが、幸福になった彼女の過去と同様、まだ幸福をつかんでいないマーカスの恋愛遍歴も波瀾万丈。主な舞台がニューヨークなのもシーズン1と同じだ。出版社で働くマーカスは白人の妻がいながら出会ったミア(映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズでラリー役を演じるジェシカ・ウィリアムズ)に魅了されるが、おかげでマーカスは“愛”という大きな命題に振り回される。大都会を舞台に“LOVE(愛)”と“LIFE(生活および生命)”を描くこと、マーカスがダービーのように出会った恋の相手と次々に別れることがシーズン1と共通している。あるエピソードでマーカスは両親が暮らすミシガン州に行くが、彼は高校時代は優等生だった。高校時代はオクテだったダービーとそっくりでにやり。
 
さてシーズン2の脚本家の1人は鎌倉市生まれの日系米国人、リア・ナカノ・ウィンクラー。渡米した幼少時は英語を話せなかったが、苦労して演劇界で成功。主人公は男性に変わったが舞台裏では日系人が活躍しているとは、引き続いて“ダイバーシティ(多様性)”を重視する姿勢はこのシーズン2でも健在だ。
 
 
【アメリカTVライター 池田敏 2023/1/31】
 
池田敏:海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。