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グッド・ファイト」主演のクリスティーン・バランスキーが米TV番組に出演し、役への取り組みについて語っている。
「グッド・ファイト」やそのオリジナル「グッド・ワイフ」のダイアン・ロックハート役で知られるクリスティーン。切れ者の弁護士役が板につき、海外ドラマファンの中でも、クリスティーンを社会派ドラマが似合う女優とみなしている人も少なくないだろう。
しかし、舞台育ちのクリスティーンがTVに進出し、最初に頭角を現したのはコメディだった。1995年から4シーズン放送された「Cybill(原題)」では、主演のシビル・シェパード(「こちらブルームーン探偵社」)の親友役に抜擢され、お茶の間の顔に。このコメディでエミー賞助演女優賞を受賞し、実力派の称号も手にした。同じくコメディ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」で演じたレナードの母親役も記憶に新しいところだろう。では、クリスティーンにとって、コメディとドラマの演技に違いはあるのだろうか?
「『グッド・ワイフ』の頃はダイアン役の声を模索していました。それまでずっとコメディを演じることが多かったですからね。ダイアンを演じるに当たり、私にとって一番のチャレンジは自分自身をパワフルな女性だと信じ込むことでした。ダイアンは法律事務所を立ち上げたシニアパートナーであり、権威もあれば貫禄もあります。そして大切なのは、彼女のような真面目で威厳のある人たちは意識してそうなるわけではないのです。その立場から自然に生み出されるものなのです」
クリスティーンが演じるダイアンは、法律事務所のシニアパートナー像そのものだ。シーズンを重ねると、ダイアンは権威と貫禄を増してゆく。それはクリスティーンの役への取り組みの成果でもある。 「ダイアンを演じるにつれ、声やしゃべり方、立ち振る舞いを控えめに調整することを学びました。レギュラーとして毎エピソードに出演していると、役や演技に磨きをかけることができるのは嬉しいですね」
これまで出演してきたコメディでは、派手で多動的なキャラクターを求められてきた。舞台ではTVや映画より大げさな芝居がしばしば必要となる。 「(『グッド・ワイフ』『グッド・ファイト』で)演技のスタイルを変化させる機会をいただけたこと、それを皆さんに見ていただけたのは本当に有難いと思っています」
舞台、ミュージカルから、コメディ、ドラマまで変幻自在のクリスティーン。今後も演技を超えた、役へのなりきりで視聴者を楽しませてくれることだろう。
<「npr.org」 2020年6月25日>