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発見!ファミリー・ルーツ」に出演、以前から憧れていたという先祖の史実を学んだマーティン・シーン。出自に深いリスペクトを抱くマーティンが、米誌の取材に答え「人生の後悔」を明かした。
その後悔とは、本名ではなく、芸名を使って俳優活動を行っていること。マーティンの本名はラモン・エステベスだ。「発見!ファミリー・ルーツ」でも語られているが、マーティンの両親は共に移民。父のフランシスコさんはスペイン人、母のメアリーアンさんはアイルランド人で、マーティンを含む10人の子供たちを生み育てたという。
若きマーティンが、俳優になるため地元オハイオからNYにやってきた時、1950年代後半のNYはヒスパニック系への差別にあふれていた。 後にこれほど後悔を抱くとは若きマーティンは想像もしていなかったが、見た目もヒスパニック系より白人に近いヨーロッパ移民の子が、芸名を選択したのは無理もない時代。名前のマーティンは懇意にしていたTVプロデューサーから、姓のシーンはNYのカトリック教補佐司教からそれぞれ頂戴したという。
「(本名で俳優活動を行わなかったことは)人生の後悔の一つだね。僕の戸籍は今も変わっていない、生まれてからずっとラモン・エステベスのままなのさ。妻ジャネットとの結婚証明書も、パスポートも、運転免許証もラモン・エステベスだ。ろくに考えもせず行動を起こしたり、自分の信念を曲げたりすると、後に後悔するものだ。これは僕自身の戒めだけどね」
とはいえ救いは子供たち。マーティンとジャネットの間には4人の子供たちがおり、全員俳優になった。そのうち、末っ子のチャーリー(・シーン)を除き、長男のエミリオ(・エステベス)を含め皆がエステベス姓のまま活動を行っているのだ。
特にエミリオについて、父マーティンは感慨深い。「僕がエミリオに与えた唯一の影響と言えば、本名を使ってくれたことくらいかな」と息子に感謝。「彼が俳優活動を始めた時、エージェントは姓をシーンに変えるよう忠告した。だけど彼は頑として変えなかったんだ。嬉しいね、神に感謝している」
もちろん芸名を使っていても、先祖への敬愛が薄れるわけではない。先祖の史実を掘り起こした「発見!ファミリー・ルーツ」で、マーティン・シーンは彼らへの思いを一層深くしたに違いない。
<「closerweekly.com」 2022年6月18日>