8月のスーパー！ドラマＴＶの目玉は「NCIS: ハワイ シーズン2」の日本初放送。

「NCIS: ハワイ」は「NCIS ネイビー犯罪捜査班」の3番目のスピンオフだが、「NCIS ネイビー犯罪捜査班」が始まったのは2003年。今年は“「NCIS」20周年”の記念すべき年だ。ちなみに「NCIS ネイビー犯罪捜査班」(計450話を突破!)はシーズン21への継続が決まったが、別のスピンオフ2つ、「NCIS: LA 極秘潜入捜査班」「NCIS: ニューオーリンズ」が終了したことを考えると人気は根強い。初めて海外(オーストラリア)を舞台にしたスピンオフ「NCIS: Sydney(原題)」の製作も決まっている。

 

さてこのシーズン2の見どころだが、ほかの「NCIS」と3回クロスオーバーすること。まず第1話は「NCIS ネイビー犯罪捜査班」シーズン20第1話を前編とする後編で、ニック・トーレス(ウィルマー・バルデラマ)らが首都ワシントンからはるばるオアフ島へ。

そしてついに「NCIS」史上初の3番組クロスオーバーが実現。「NCIS ネイビー犯罪捜査班」シーズン20第10話をパート1、「NCIS: ハワイ」シーズン2第10話をパート2、「NCIS LA 極秘潜入捜査班」シーズン14第10話をパート3とする3部作だ。今回は「NCIS: ハワイ」以外のオンエアがないのは残念だが、全米放送は大反響を呼んだ。しかも! シーズン最終話となる第22話には、あっと驚く人がハワイにやって来る(まだ言えないが)。

またハワイが舞台とあって日本が絡むエピソードもお楽しみ。シーズン1第5話「自衛官殺害事件」では日本の自衛隊員が犠牲になったが、シーズン2第11話「Rising Sun(原題)」ではヤクザが登場する模様で、映画「ヤクザプリンセス」のMASUMIさんがゲスト出演。

 

さて本作の原題「NCIS: Hawai‘i」だが、２つの「i」の間に「‘」が入る。英語のHawaiiはハワイ語ではHawai‘iなのだ。「‘」はハワイ語の声門閉鎖音符号(オキナ)だとか。舞台となるハワイへのリスペクトもたっぷりだ。

 

 

【海外ドラマ評論家　池田敏　2023/7/31】

 

池田敏：海外ドラマ評論家。映画誌「スクリーン」などに寄稿し、TV・ラジオで出演や監修をすることも。著書は「『今』こそ見るべき海外ドラマ」(星海社新書)など。