“スーパーマン”といえば、1938年のアメコミ誌登場以来、米国を代表するスーパーヒーローとして全世界で愛されている。これまでに幾度となく映画化、TV化されており、実写版でのキャスティングは毎度、賛否両論を巻き起こす。
その賛否両論は主役の“スーパーマン”に対してだけではない。“スーパーマン”の宿敵レックス・ルーサーを誰が演じるかも大きな話題の一つとなる。
当時、多くの“スーパーマン”ファンは、クリストファーはレックス・ルーサー役でキャスティングされたと思っていたという。
ファンの思い込みも無理はない。コミック上でのレックス・ルーサーは有能な科学者であり、狡猾なビジネスマンでもある。何よりスキンヘッドがトレードマークだ。クリストファーの外見とほぼ一致、鍛えられた肉体も重なり、レックス・ルーサーに適役だと思えたのだろう。
しかし、『マン・オブ・スティール』にレックス・ルーサーは登場せず、クリストファーが演じたのは、ネイサン・ハーディー大佐だった。
もちろんクリストファーは、ネイサン・ハーディー大佐役のオファーを喜んで引き受けた。DCやマーベルなど大作フランチャイズ映画に出演することは多くの俳優にとって憧れなのだ。
「(監督の)ザック・スナイダーは僕が(ハーディー大佐に)適役だと思って、役をオファーしてくれた。これほど嬉しかったことはないね」とクリストファー。
実はクリストファーが演じたハーディ大佐役はそれほど大きな役ではない。出演時間で測れば端役と言えるだろう。
「メインキャラクターではなかったけれど、素敵なストーリーにつながった素晴らしい役だったよ。僕も(ハーディー大佐に)共感できた」(クリストファー)
当のクリストファーは、役に満足しているのだが、収まらないのはファンの気持ち。火をつけたのは、その3年後に公開された『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』だ。そこでレックス・ルーサーを演じた売れっ子俳優の役への取り組みが賛否両論だったのだ。
同作でレックス・ルーサーを演じたのはジェシー・アイゼンバーグ。癖のある科学者を演じるのには十分なジェシーだが、あえてスキンヘッドにはならなかった。新しいレックス・ルーサー像を作り上げたかったに違いない。しかし、熱心なファンにとっては、あまりにも自分たちが馴染んできたレックス・ルーサー像と異なりすぎていた。
『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』両作から月日は流れたが、再びこのキャスティングがSNS界隈をにぎわせているのは、2025年に新作『スーパーマン』の公開を控えているため。
新作でレックス・ルーサーを演じるのは、ニコラス・ホルト(「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」)。すでにティーザー動画ではスキンヘッドのニコラスを見ることもできる。ジェシーの騒動から学んだのだろう。
キャスティングの“たられば”は禁物だ。それでもファンはあきらめきれない。一部の“スーパーマン”ファンだけでなく、「LAW & ORDER」ファンだって、クリストファーならレックス・ルーサーを完璧に演じていたと思っているのだ。
<「fandomwire.com」 6月20日>