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NCIS ネイビー犯罪捜査班」の名コンビといえば、マイケル・ウェザリー演じるトニーと、コート・デ・パブロ演じるジヴァ。2人のじれったいロマンチックな関係は多くのファンから愛された。
見事に役にハマったキャスティングといえるのだろうが、実はジヴァ役のオーディションではマイケルの迷アシストがあったと、コートが明かしている。
ジヴァが「NCIS ネイビー犯罪捜査班」に登場したのは、シーズン3から。何度目かのジヴァ役のオーディションで、コートはクリエーターのドナルド・P・ベリサリオ、他の製作総指揮者らが居並ぶ会場に入った時のことを今も覚えている。
「会場には(他の候補者も)6人くらいいたと思う。私は自分なりに考えて、役になりきって中へ入ったの」
今日で人生が変わるかもしれない、名もなき当時のコートの緊張はMAXに達していた。
「笑顔もなし。今だったら少し余裕があるかもしれないけれど、とにかくあの時は役になりきろうと必死だった」
自分が試される番が来て、(やれることをやろうと)心に誓ったその時、マイケルの姿が目に入った。
「マイケルのことも、トニーのことも知らなかった」
番組ではマーク・ハーモンに次ぐスターのマイケルを知らないわけはなかっただろう。そこは今は互角のスターとなったコートの強がりだ。ちょっぴりしゃくに触ることもあったから。
「(オーディションで)私とマイケルでシーンを演じ始めて、途中くらいまできた時、最悪なことが起きたのよ」
なんとマイケルは台本から目を離し、コートの顔に触れたかと思うと、「すごくきれいな顔をしてるね、サルマ・ハエックに似てる」とつぶやいたという。
マイケルのいたずらに、他の女優たちがしらけムードになったことは見渡さなくても気がついた。
リズムを狂わされ、コートは「ああ、この人は私のオーディションの邪魔をしようとしてる……」とイライラ。
その怒りがコートの緊張を解いた。演技を超えた2人になれた一瞬だった。
「部屋のムードが完全に変わったの。皆は私たちを愉快に思ったみたい。とてもおかしそうに笑っていたから」
“Tiva(トニーとジヴァの愛称)” が誕生した瞬間だ。瞬時に自分との相性を見抜いたマイケルもさすがだが、ひるまなかったコートも立派というべきだろう。
出会いは最悪。フリがきいてる分だけ、プラスに変わった関係はとびきりのロマンチック。
2人が主演する「NCIS」のスピンオフシリーズ「NCIS: Tony & Ziva」は米の有料サービスParamount+で来年にも配信が始まる。ハラハラ、ワクワク、ドキドキ、“Tiva”ファンには来年が待ち遠しいにちがいない。
<「express.co.uk」 7月14日>