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スパドラ!最新USレポート Vol.436:「GRIMM/グリム」のデヴィッド・ジュントーリ、番組を語る 「8回までノーヒットノーランを続けているピッチャーのようなもの」

July 19, 2016

grimm_yr4_us250_0719.jpg米国では今年の3月に節目となる100話目のエピソードを放送、今秋からシーズン6がスタートする米NBCのドラマシリーズ「GRIMM/グリム」。主演のデヴィッド・ジュントーリが、ドラマの内容にも負けない、波乱万丈の5シーズンを振り返っている。

「よく100エピソードを超えて、どんな気分と聞かれるけれど、実際のところ、『GRIMM/グリム』はずっとファイターなんだよ。僕らの番組には、映画スターが出ているわけじゃない。一度だって楽にやれたことはなかった。毎話、視聴率が気にかかるし、毎シーズン、次は更新されるのだろうかと気をもんでいる」

「まるで8回までノーヒットノーランを続けているピッチャーのようなもの」と、そのプレッシャーを語るデヴィッド。しかし、6シーズン続く番組に出演できていることには、幸せを感じている。

「俳優として一番の後悔は、オーディションもしくはシーンを演じて、失敗したと思う時なんだ。僕らは、『ああ、ヘマをしてしまった、もう一度チャンスがもらえたらなあ』なんて後悔する。二度目のチャンスなんて絶対もらえないのにね。俳優として、(撮影が始まる)『アクション』と(撮影が終わる)『カット』の間で、演じるチャンスをたくさんもらえることは滅多にない。だから俳優は、その立場を得ようと頑張るわけだ。長く続く番組に(レギュラーで)出ている時は、その立場にいるということなんだよ」

撮影は「アクション」の一声から始まり「カット」の一声で終わる。その短い間こそが、俳優がカメラの前で自分を表現できる時間だ。オーディションやゲスト出演の場合は、何度もやり直しを請うわけにはいかない。自分の立場を確保したレギュラーだからこそ、よりよい芝居を求めることができるのだ。

今は「GRIMM/グリム」に全力投球のデヴィッドだが、「『GRIMM/グリム』の次」を考えてはいるのだろうか?
「俳優の条件の一つに、先を見ることはできない、というのがあるんだ。僕にとっては、1シーズンごとが勝負。次のファイトに専念するだけなんだよ」

豊富なたとえ話は、デヴィッドの頭が良い証拠。そんなデヴィッドだからか、プロデューサーや監督の仕事に興味を持っている。
「所有欲が沸いてきたよ、製作や監督業をやりたい。何か自分の手に入るものがね、欲しくなってきたんだ」

その欲はすでに一つ満たされた。デヴィッドは今夏、主演と製作・脚本を兼ねた映画『Buddymoon』を発表している。


<「latimes.com」 3月11日付け>