April 12, 2017
「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」で主役のシャーロック・ホームズを演じるジョニー・リー・ミラー。ジョニーの出世作といえば、1996年の映画『トレインスポッティング』だ。ジョニーの他、ユアン・マクレガー、ロバート・カーライルら数々のスターを世に送り出した人気作の続編が、『T2 トレインスポッティング』 (以下『T2』)として全世界で公開中だ。
続編にもシック・ボーイ役で出演しているジョニーが、米誌の取材に答え、スコットランドにて行われた撮影の秘話を明かしている。
「少しばかり大変ではあったよ。『T2』の撮影では、道行く人の誰もが僕らが撮影しているのは『T2』だとバレていた。(監督のダニー・ボイルは)まるでスコットランド版『スター・ウォーズ』を撮影している気分だと言ってたよ」
『トレインスポッティング』の時は誰もが無名、撮影も邪魔されることなく集中できた。しかし、この『T2』ではパパラッチにも付きまとわれる毎日。ジョニーたちは、写真を撮られたり、ネタバレの無いよう、細心の注意を強いられた。
自らを取り巻く環境は、『トレインスポッティング』の頃から大きく変わってしまったが、『T2』では当時に引き戻されたような印象的なシーンを経験したという。
「最初の映画にはトミー(ケヴィン・マクキッド)が僕らを誘って、どこかポツンとある鉄道駅に連れてゆくというシーンがあるんだ。続編でもまたそこへ戻ったんだよ。トミーの弔いに、僕らは再びその駅に出向いたわけさ」
トミーは『トレインスポッティング』の中で亡くなったキャラクター。ボイル監督は、オリジナルのキャストが勢ぞろいした『T2』で、トミーを置いてけぼりにしたくはなかったのかもしれない。
「若い役者にトミーっぽく扮装させたんだ、髪形や服装をね。そして僕らの前を歩かせた。その姿を見て、僕らは髪が総毛だった気分になったよ」
若きトミーの姿から、ジョニーの頭には20年分の思いが駆け巡ったのだ。
「帰るべきところに帰ってきたと思ったんだ。僕らはそのために新しく映画を撮っているんだと。『トレインスポッティング』が僕らにとってどれほど大切な作品か、そしてどれほど多くの人たちに影響を与えたのかとね」
出演者そして世界中のファンの青春の思い出をくすぐる『T2』。製作費わずか1800万ドル(約20億円)ながら、4月上旬現在、全世界ですでに製作費の2倍以上の興行収入を上げている。
<「people.com」 3月24日付け>