元エリート化学者で、現在はニューメキシコ州アルバカーキにある高校の化学教師を勤める50 歳。妻スカイラー、脳性麻痺の長男ウォルターJr.、そして生まれたばかりの娘ホリーがいる。肺ガンで余命宣告されたことから、元教え子ジェシーを相棒として、化学の知識を生かして違法ドラッグ(メス)を製造することを決意。偽名「ハイゼンベルク」を使い、大物密売人ガスと手を組んで、家族に遺産を残すべく犯罪行為に手を染める。治療に成功し今は経過も良好だが、一方で妻に秘密を知られ、離婚を言い渡されたショックから端を発したトラブルで現在は無期限の停職処分中。ジェシーを欺いて味方につけガスを暗殺することに成功するが……。
1956年3月7日米カリフォルニア州カノガ・パーク生まれ。学生時代に俳優を志し、舞台に立つ。TVでは、コメディシリーズ「マルコム in the Middle」の父親ハル役が有名。さらに「ブレイキング・バッド」で4度のエミー賞主演男優賞ほか数々の賞に輝き、演技派の地位と国際的な知名度を不動のものにした。映画は『ドライヴ』、『ロック・オブ・エイジズ』、『アルゴ』ほか多数。最近では、大作映画『GODZILLA』にて核物理学者で主人公の父ジョー・ブロディを演じ、2014年5月には『All The Way』でブロードウェイ・デビューを飾った。父ジョー・クランストン、兄カイル・エドワード・クランストン、1989年に再婚した妻で女優のロビン・デアデンとの娘テイラー・デアデンも俳優である。
ウォルターの元教え子。無気力で不出来な生徒で、化学の単位を落とした過去がある。現在はドラッグディーラーで、麻薬取締局(DEA)に追い詰められていたところウォルターと再会し、ビジネスパートナーとなることを持ちかけられる。裕福な家庭に育つもドラッグの濫用で両親に追い出され、おばがガンで亡くなるまで同居していた。恋人のジェーンがドラッグの過剰摂取で死亡したショックで一時はクスリ漬けになってしまうが、「自分が悪である」ことを認めて麻薬を絶つ。その後、ガスの腹心マイクに連れられ彼の護衛を務めるうちに才覚を現し始める。子供に優しく思いやりを見せることもあり、ガスが子供を使って密売や殺人を行わせていることに激怒するという彼なりの正義感も持ち合わせている。
1979年8月27日米アイダホ州エメット生まれ。高校時代に俳優になることを決意し、卒業後にロサンゼルスへ。90年代の後半、ハリウッドのユニバーサル・スタジオ・ムービー・シアターで案内係として働いた。「ビバリーヒルズ高校白書」にゲスト出演してTVデビュー。以後、「ER 緊急救命室」や「クリミナル・マインド」、「Big Love」ほか人気ドラマにゲスト出演。映画は『光の旅人 K-PAX』、『M:i:III』など。「ブレイキング・バッド」のジェシー・ピンクマン役でエミー賞助演男優賞ほか多くの賞に輝きブレイクした。映画『ニード・フォ—・スピード』では、主演をつとめ、今後もリドリー・スコット監督の大作『Exodus』ほか話題作への出演が続く。
ウォルターの妻で長男ジュニアの母親。第二子ホリーを出産したばかり。ウォルターの治療費や将来のことを心配しつつ気丈に振る舞っていたが、出産にも立ち会わず、嘘に嘘を重ねるウォルターに愛想を尽かし、家を出て行くよう最後通牒を突きつけた。さらに夫が麻薬を製造していることを知り一度は離婚を言い渡したものの、ハンクの治療費を捻出する必要もあり、洗車場を買い取ってウォルターの資金洗浄に加担することを考える。しかし、ウォルターが深みにはまるにつれ、彼に恐怖心を感じ始める。
1968 年8 月11 日、米ニューメキシコ州サンタフェ生まれ。学生時代から演技の才能を認められ、奨学金を得るなどして演技の勉強を重ねた。1990 年代から舞台のほか、TV、映画にも出演。TV は「NYPD ブルー」、「ザ・プラクティス」、「シックス・フィート・アンダー」、「LAW & ORDER」などの人気ドラマに多数ゲスト出演。中でも「デッドウッド~銃とSEX とワイルドタウン」のマーサ・ブロック役でよく知られる。本作でエミー賞助演女優賞を受賞した。
スカイラーの妹マリーの夫で、ウォルターの義弟に当たる。麻薬取締局(DEA)のエージェント。明るく頼れる兄貴分といった性格で、仕事においてもタフで粘り強いが、ドラッグディーラー、トゥコを銃撃戦の末に射殺したこと、さらに仲間の捜査官たちが目の前で爆弾で吹き飛ばされたことがトラウマとなる。それでも捜査対象であるドラッグディーラー「ハイゼンベルク」を追い続けるが、よもやウォルターであるとは夢にも思っていない。トゥコの従兄弟の恨みを買っていたハンクは銃撃を受け重傷を負ったが、持ち前の粘り強さで現場に復帰した。
1963年4月10日米インディアナ州サウスベンド生まれ。ハーバード大学卒。ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマチック・アートで演技を学んだ。「ブレイキング・バッド」の麻薬捜査官ハンク役で高く評価された。「アンダー・ザ・ドーム」ではビッグ・ジムを演じて存在感を発揮。映画出演は、『リーサル・ウェポン2/炎の約束』、『トータル・リコール』、『ターミネーター2』、『リトル・ミス・サンシャイン』、『悪の法則』など。「24」や「クリミナル・マインド」ほかTVのゲスト出演も多数。妻ブリジットとの間にもうけた5人の子供たちの父親でもある。
スカイラーの妹でハンクの妻。診療放射線技師として病院に勤務しており、ガンの治療で苦しむ患者たちを見ているため、治療方針をめぐってはウォルターの意志を尊重しようとする。自己中心的なところがあり、強いストレスにさらされると窃盗を繰り返すという問題を抱えている。そのことでスカイラーとは一時距離が生じるが、姉一家のことを心配しており、ホワイト一家が困っているときには協力を惜しまない。やっかいな性格の持ち主ではあるが、夫ハンクとの絆は強い。
米ミシガン州ベイシティ生まれ。「マイケル・J・フォックス・ショウ」にはアニー・ヘンリー役でレギュラー出演。「WITHOUT A TRACE」、「ボストン・リーガル」、「プライベート・プラクティス」、「ボディ・オブ・プルーフ」など、人気ドラマに多数ゲスト出演している。映画は『マジック・マイク』など。私生活では2人の子を持つ母親。
ウォルターとスカイラーの息子で、ハンクとマリーの甥。父親が勤める高校に通う16 歳。脳性麻痺のため、軽度の言語障害あがり常時松葉杖を使っている。同級生にばかにされたり思い通りにいかないことも多いが、ユーモアを忘れず、常に前を向いて生きている。家族のことを心から大切に考えており、とりわけ父親への愛情は強い。ウォルターが肺ガンであることがわかると、治療費を稼ぐために募金サイトを作るといった行動力もある。
1992年8月21日米ルイジアナ州ラファイエット生まれ。生まれた時に呼吸が停止し、後遺症で脳に障害が残った。コマーシャルやTV番組のオーディションを受けながら、クレジットはないが「シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ」に出演するチャンスを得て、「ブレイキング・バッド」のウォルター・ホワイト・ジュニア役で大きな注目を集めた。その他、「VEGAS/べガス」、「スイッチ ~運命のいたずら~」など人気ドラマにゲスト出演している。
シーズン2の第8話より登場した「グッドマン法律事務所」の弁護士。「ソウルに電話しよう!(Better Call Saul)」をキャッチフレーズにかかげ、地元アルバカーキではテレビCMなどでもおなじみ。表向きは一般市民を相手に刑事事件を専門にしているが、裏社会とのつながりも強く、密かに犯罪者を相手に危険な仕事も請け負っている。幾度となくウォルターとジェシーの窮地を救っている一方で、ウォルターらがガスと関わるきっかけを作った人物でもある。マイクを私立探偵として雇い、証拠隠滅等の仕事を依頼している。ガスの死後、よりウォルターらのドラッグ・ビジネスと密接な関わりを持っていく。
1962年10月22日米イリノイ州生まれ。俳優、コメディアン、声優であり、放送作家、脚本家、映画監督と多彩に活躍。地元のラジオ局でコメディ番組の制作などを経て、コメディアンとしてのキャリアを積む。1987年に「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し、レギュラーを務めた。同番組では放送作家として、また出演者として2度のエミー賞に輝いている。1995年には、HBOでコメディ番組「Mr. Show with Bob and David」を立ち上げ、全4シーズンに渡り自らホストも務めた。近年は俳優活動が活発で、映画『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』やTV版「ファーゴ(原題)」など話題作に出演。本作のソウル・グッドマン役でも存在感を発揮し、2015年放送開始の(「ブレイキング・バッド」の)スピンオフ番組「Better Call Saul(原題)」では主演を務める。
シーズン2第11話より登場。14店舗を展開するファストフード店「ロス・ポジョス・エルマノス」のオーナーとして地域でも尊敬を集める存在だが、その裏の顔は大物麻薬密売人である。慎重な性格のため、ソウルを通じてウォルターたちと知り合った当初は彼らのアマチュアぶりから取引を断ろうとしていたが、ウォルターが作るメスが高品質であることを知り、ある時はなだめ、ある時は脅しながらメスの製造を促す。しかし子供に殺人をさせるようなビジネスを平気で行う無慈悲さがジェシーの激しい怒りを招き、ガスとウォルター、ジェシーは対立することに・・・。汚れ仕事は有能な彼の部下マイクに一任している。
1958年4月26日デンマーク・コペンハーゲン生まれ。若い頃から多くの舞台でキャリアを積み、オビー賞ほか数々の賞に輝く実力派。『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』など映画出演も多く、TVシリーズでは、「ホミサイド/殺人捜査課」マイク・ジャデーロ役で注目を集め、最近では「ワンス・アポン・ア・タイム」、「REVOLUTION」などに出演し日本の海外ドラマファンにもおなじみ。