J.J.エイブラムスが企画・製作総指揮をつとめる全米ヒットドラマ。
強大な陰謀に挑む、超・サイエンスミステリー!
TVドラマ「LOST」を成功させ、監督をつとめた映画『M:i:Ⅲ』('06)『スター・トレック』('09)『SUPER 8』('11)がいずれも大ヒットしたJ.J.エイブラムス。あの『スター・ウォーズ』の続編監督も託されるほど、今やハリウッドのカリスマ・クリエイターとなったJ.J.が企画・製作総指揮をつとめる、全米大ヒットドラマが「FRINGE/フリンジ」だ。本作は08年8月19日から全米FOXネットワークで放送され、当初から高視聴率をマーク。熱狂的なファンを獲得し、2013年1月には、惜しまれつつも通算100話目となるシリーズ最終回を迎え、全5シーズンの人気作として放送された。
“J.J.版「Xファイル」”ともいえる、多彩な怪現象を描くSFサスペンスとしてスタートするが、物語が進むにつれて「パターン」の全貌の片鱗が見えてくると、いつしかノンストップ・ミステリーとして見逃せなくなるのが「FRINGE/フリンジ」のハマる見どころ。時に見る者に解釈を委ねた「Xファイル」とは異なり、各現象はきちんと解決するが、その分「パターン」の謎が深まるという迷宮的展開は鬼才J.J.エイブラムスならでは。物語に登場する会社のサイトが作られるなど、奇抜なプロモーションも全米で話題をよんだ。かつてない世界を迫力たっぷりに描くため、製作費は第1話だけでも何と1000万ドル(約10億円)を投入。J.J.エイブラムスと共に企画・製作総指揮をつとめるのは映画『トランスフォーマー』シリーズ、そして映画『スター・トレック』の脚本を手がけたアレックス・カーツマンとロベルト・オーチー。主演はTV「ザ・パシフィック」のアナ・トーヴ、TV「ドーソンズ・クリーク」のジョシュア・ジャクソン、映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ第2・3 作でデネソールを演じたジョン・ノーブル。TV「宇宙大作戦/スタートレック」のレナード・ニモイなど、ゲスト出演陣も豪華だ。
「2008年から2009年シーズンに始まった新番組中のベスト作品」
Entertainment Weekly
「今どき、マッド・サイエンティストを演じようと思っても大失敗という結果になりやすいものだ。しかし、『フリンジ』の脚本家たちと優れた技量を持つジョン・ノーブルは、SFドラマに出てくるよりむしろシェイクスピアの劇に登場する方が相応しいような人物を創りあげた。」
Los Angels Times
本作を企画・製作総指揮するJ.J.エイブラムスの周囲には、優秀なクリエイターが集結している。「FRINGE/フリンジ」で共に企画・製作総指揮・第 1話脚本を手がけたのは、かつてJ.J.がプロデュースしたTV「エイリアス」や、J.J.監督の映画『M:i:III』『スター・トレック』の脚本を手がけたアレックス・カーツマンとロベルト・オーチー。2人はスピルバーグ製作総指揮の映画『イーグル・アイ』やヒット映画『トランスフォーマー』シリーズも手がける売れっ子脚本家コンビ。また第1話を監督したのは「ザ・ホワイトハウス」のプロデューサーとしてエミー賞を2度受賞したアレックス・グレイヴス。他にも、映画『ビューティフル・マインド』でアカデミー脚色賞に輝くアキヴァ・ゴールズマン、「LOST」のポール・A・エドワーズ、「ER 緊急救命室」「ザ・ホワイトハウス」のクリストファー・ミシャーノ、映画『マシニスト』のブラッド・アンダーソンなど充実した顔ぶれが監督をつとめている。
「FRINGE/フリンジ」の音楽を担当するのは、『カールじいさんの空飛ぶ家』でアカデミー賞作曲賞に輝いた売れっ子映画音楽家マイケル・ジアッキノ。 J.J.エイブラムスとは映画『M:i:III』『スター・トレック』やTV「LOST」「エイリアス」でも組み、他にも『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』などのヒット映画を手がけている。
「FRINGE/フリンジ」には時々、黒い背景に青く浮かび上がった謎のシンボルが登場する。指が6本ある手のひら、カエル、リンゴの断面、タツノオトシゴ、葉っぱ、蝶、花 etc. それらはよく見ると様々な文字・マーク・形が隠されているが、いったい何の意味があるのか。そしてそのシンボルのそばで黄色く輝く点。これは毎回位置が違うのだが、どうやらシンボルとその黄色の点の位置は何かの暗号になっているらしい。
タイトルの「フリンジ」とは英語の“Fringe science(フリンジ・サイエンス)”に由来している。「フリンジ・サイエンス」とは、「疑似科学」「非主流科学」などと訳され、研究者は科学だと思っているが、科学として認められていないものをさす。具体的には超能力、死者の蘇生など、都市伝説すれすれだが、今後はより大きく注目を集めるという声もある。
大作「FRINGE/フリンジ」は毎回を彩るゲスト・スターも豪華。シーズン1には、TV「宇宙大作戦/スタートレック」やJ.J.エイブラムスが監督した2009年の映画版『スター・トレック』でミスター・スポックを演じてきた人気男優レナード・ニモイのほか、TV「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班」のピーター・アウターブリッジ(第1話)、TV「ロズウェル/星の恋人たち」のウィリアム・サドラー(第8話)、TV「サード・ウォッチ」でフレッド・ヨーカスを演じたクリス・バウアー(第12話)、TV「ドーソンズ・クリーク」(イヴリン役)でジョシュア・ジャクソンと共演していたメアリー・ベス・ペイル(第12話)、TV「ER 緊急救命室」でマルッチに扮したエリック・パラディーノ(第15話)らがゲスト出演している。
続くシーズン2にも、映画『ナショナル・トレジャー』のダイアン・クルーガー(第16話)をはじめ、映画『ロボコップ』のピーター・ウェラー(第17話)、「ダーティ・セクシー・マネー」のセス・ガベル(第21話)などに加え、ウィリアム・ベル役でレナード・ニモイ(第21話、第22話)も登場している。
パラレルワールド(平行世界)である「もうひとつの世界」は、国防総省長官ウォルター・ビショップとマッシブ・ダイナミック社の存在により、非常に高度な技術を持つ。フリンジ・チームは、ニューヨーク市に本部があり、ブロイルズ大佐の指揮のもと、リンカーン・リー、オリビア・ダナム、チャーリー・フランシスらが捜査官として活躍している。軍の一部なのか、本部内の捜査官たちは軍服を着用。ビショップ長官は非常に冷徹な人物だが、オリビアとリンカーンはこちらの世界に比べると陽気なタイプ。それぞれ同じ人物ではあるものの、歩んできた人生や経験により、こちら側の人物と性格はかなり異なる。
なお、ボリビア(B+Olivia)、ウォルターネイト(Walter+Alternate)、という呼び名はこちら側と「もうひとつの世界」の人物を区別するためにこちらの世界のウォルター・ビショップが命名したもので、そのほかはAlternate(代わり)をつけて、アルト・アストリッドなどと呼ばれている。
シーズン3ラストで、こちらと、「もうひとつの世界」を共存させるために二つの世界に橋をかけたピーターは、バタフライエフェクトにより彼自身の存在が削除され、世界はピーター・ビショップの存在しない新しい世界(「こちらの世界」でも「もうひとつの世界」でもない「第三の世界」)に上書きされてしまった。この新たなタイムラインでは、1985年、少年ピーターはこちら側でも、「もうひとつの世界」でも死んだことになっている(「もうひとつの世界」から連れてこられた少年ピーターは、監視人が助けることなく、湖で死んだとされる)。ピーターの存在が消されたことにより、新しいタイムラインのウォルターやオリビアはこれまでの彼らとも「もうひとつの世界」とも異なる第三の彼らとして登場する。ウォルター・ビショップはFBIの監視役付でハーバード大学のラボで寝泊まりしており、外出もほとんどしない。精神的にも以前に比べるとかなり不安定だ。その彼に代わり、オリビアと共に現場検証に向かうのが、アストリッド。そして、「もうひとつの世界」ではチーム・リーダーであるリンカーン・リー捜査官が、こちらの世界でもいよいよフリンジ・チームに加入することになる。ピーターの存在しない世界において、リンカーンというパートナーを得ると、オリビアにも変化が……!?
時間軸は書きかえられ、ピーターは消去された。だが、彼の痕跡は依然存在し続けている、と監視人たちは言う。実際、ウォルターとオリビアはそれぞれ、ある男(=ピーター・ビショップ)の幻影を見ていたのだった。彼を知らないオリビアたちを、幻影として訪れるピーター。一体、ピーター・ビショップはどこに行ってしまったのか?そして彼は戻ってくることができるのだろうか?
監視人セプテンバーが初めてウォルターに接触したのはシーズン1第19話「パイロキネシス」。「FRINGE/フリンジ」中、最初で最後のミュージカル・エピソード(!)となったシーズン2第19話「ガラスの心臓」。ウォルターとピーターがオリビアの心に入り込み、その様子を映画『スキャナー・ダークリー』のようなアニメ技法を用いて描いたシーズン3第19話「LSD」。本作において、各シーズンの第19話はいつもと何かが違う、何かが起こる「特別」エピソード。そして直前のシーズンとなるシーズン4は、過去シーズンの第19話の例にもれないどころか、今まで以上に突飛なエピソードだったのだ。
シーズン4第19話「支配された未来」では、前後のエピソードとのつながりなく、唐突に2036年という未来での出来事が描かれた。その内容は、「2609年に地球が毒され居住不可能になったことから、監視人は2015年にタイムスリップして世界を監視する存在から支配する存在になる。そのとき人々は抵抗するものの破れてしまうが、その後2036年、成長しフリンジ捜査官となったオリビアとピーターの娘エッタが、アンバーに捕らえられた旧フリンジ・チームを取り戻し、監視人との戦いの火ぶたが切って落とされる」というものであった。
シーズン途中に突如として挿入され、その後続きが描かれることなくシーズン4が幕を閉じたため、この第19話は非常に謎めいたエピソードとなっていたが、実はファイナル・シーズンへとつながる布石であった。ファイナル・シーズンではまさにこのシーズン4第19話を受けて物語が進むこととなり、未来で復活したフリンジ・チームの、監視人との戦いが描かれる。
パターン現象の起きる事件現場でその姿を目撃される男達。黒いスーツと黒い帽子をかぶり、色白で髪はない。時間もパラレルワールドを自由に行き来する彼らは「監視人」と呼ばれ、人間世界を観察している。彼らの任務は人間を観察することであり、事件や人間に関与してはならない。
ところが、セプテンバーと呼ばれる監視人は、そのルールを破ってウォルター・ビショップやピーターにたびたび接触する。1985年、ウォルターがもう一つの世界からピーターを誘拐したとき、湖で溺れて死ぬはずだったピーターを救出したのも実はセプテンバーだった。
ピーターの存在しない第三の世界で、ピーターの痕跡を消すように命じられたセプテンバーは命令に背き、ピーターの復活を見守る。その後、負傷したセプテンバーがオリビアの前に現れ、どの未来でもオリビアは死ぬ、と言い残し姿を消す。その言葉通り、コーテキシファンの被験者であるオリビアの力を利用するウィリアム・ベルの計画を阻止するため、ウォルターの銃弾が彼女の額を貫いた(弾丸を摘出されたオリビアは、コーテキシファンの能力で傷が治癒し、事なきを得る)。平穏を取り戻した矢先、セプテンバーは再びウォルターの前に現れ、こう告げた。「警告せねばならない。彼らが来る」
「彼ら」とは、セプテンバーの仲間、監視人たちのことだったのだ。
未来から来た彼らは、当初、人類の歴史上重要な瞬間に現れ、事を見届けるだけの存在で、「監視人」と呼ばれていた。しかし2015年、彼らは突如監視をやめ、人類を支配し始める。はるかな未来、2609年に地球は完全に汚染され居住不可能となり、監視人たちはタイムトラベルを行って現在の地球を乗っ取ったのだ。
原題 | FRINGE/フリンジ FRINGE |
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データ | 2008~2013年/アメリカ/二カ国語&字幕/60分/全100話/HD作品 |
製作総指揮 |
J.J.エイブラムス(映画『M:i:III』、 『スター・トレック』、TV「フェリシティの青春」、「LOST」)
ジェフ・ピンクナー J・H・ワイマン ブライアン・バーク |
出演 |
アナ・トーヴ ジョシュア・ジャクソン ジョン・ノーブル セス・ガベル ジェシカ・ニコール ランス・レディック ブレア・ブラウン |
あらすじ |
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