失踪者の行方と彼らの背後にある真実を追い求める「FBI 失踪者特別捜索班」の活躍を描いた全米高視聴率シリーズ!
映画界で『アルマゲドン』『パール・ハーバー』『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』などのヒット作を連発し、近年ではTV界で『CSI:科学捜査班』と『CSI:マイアミ』を全米視聴率ドラマ部門のベスト3に送り込んでいる売れっ子プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー。そんな超大物が製作総指揮をつとめ、全米CBSネットワークで2002年9月26日から放送中の最新ヒット作が『WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!』。全米CBSにて放送された第1シーズンで、全米視聴率が1時間ドラマ部門でいきなり第5位をマークした本作は、第3シーズンは同部門で第4位。そして2005年秋から全米放送の第4シーズンは全番組中、第3位(1時間ドラマ部門)と、シーズンを経るごとに人気を増している。今や国民的ドラマになったのである。
本作のモチーフは全米各地で深刻な社会問題になっている“失踪”。舞台は人種のるつぼであるニューヨークのFBI(米連邦捜査局)支局で、失踪者捜索班のジャック・マローン主任ら5人のプロフェッショナルが登場人物。犯罪に巻き込まれた者や運命に導かれるように失踪を選ぶ者など、多彩な失踪者を生むニューヨーク。FBIは多彩な捜査方法を駆使し、失踪者のゆくえと彼らの背後にある意外な真実に接近。単なるミステリーではなく社会派&ヒューマン・ドラマの見ごたえもたっぷり。その興奮と感動のドラマに全米が熱い視線を注いでいる。
実際に全米では失踪(Missing Person)・誘拐(Kidnapping)が深刻な社会問題になっている。現在も毎年、約70万人の子供が失踪しているという説もあるほど。米国で失踪および誘拐は、まず事件発生後から最初の24時間は、各地の地元警察が捜査し、その後FBIが捜査を受け継ぐ。特に誘拐は、連邦法の一つ《連邦誘拐法》(1932年に有名な飛行士チャールズ・リンドバーグの幼い息子が誘拐された悲劇的事件を受けて制定されたために《リンドバーグ法》とも呼ばれる)にもとづいた連邦犯罪とされ、実際に複数の州をまたがる事件も多いため、FBIが担当する。さらに失踪者は発生後48時間以内に見つからないと発見率が格段に下がるといわれる。したがって本作のFBIチームは、事件発生から24時間をすぎて捜査を開始してから24時間以内(つまり事件発生から48時間以内)に事件を解決すべく、スピーディに行動する。 番組に登場するFBIアイテムの1つに、失踪者の足取りを記すホワイトボードがある。時間軸に沿って、失踪者がいつどこにいたかをマジックペンで記入するものだが、視聴者にとっても失踪者の行動を理解するのに便利で、絶妙な効果をあげている。
【エミー賞】
第55回(2003年)=2部門受賞/ドラマ・シリーズ・ゲスト男優賞(チャールズ・S・ダットン)、シングルカメラ美術賞。
第56回(2004年)=2部門ノミネート/ドラマ・シリーズ主演男優賞(アンソニー・ラパリア)、ドラマ・シリーズ・ゲスト男優賞(マーティン・ランドー)。
第57回(2005年)=1部門ノミネート/ドラマ・シリーズ・ゲスト男優賞ノミネート(マーティン・ランドー)。
【ゴールデン・グローブ賞】
第61回(2004年)=ドラマ・シリーズ主演男優賞(アンソニー・ラパリア)
このほかにも、米国キャスティング組合賞を受賞し、米国俳優組合賞など多数の賞でノミネートされている。
映画界で大ヒットを連発してきたハリウッドの大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー。「自分が見たいと望む作品は観客も見たいと望む作品」と語る屈指のヒットメーカーだが、近年はその法則をTV界進出に応用している。2002年にスタートし、現在全米視聴率がトップを独走する『CSI:科学捜査班』を筆頭に、2002年に始まった『WITHOUT A TRACE~』と『CSI』最初のスピンオフ(兄弟番組)『CSI:マイアミ』、2003年の『コールドケース 迷宮事件簿』、2004年の『CSI』2 番目のスピンオフ『CSI:ニューヨーク』は、いずれもリアル・クライム・ミステリーだが、これら5番組が2004-2005年度の全米視聴率1時間ドラマ部門ですべてベストテンに入るという快挙を達成。 しかし各番組はよく見れば、事件解決までの過程を捜査テクニック重視で見せる『CSI』3部作、社会派ドラマとして見る者を考えさせる『WITHOUT A TRACE~』、犯罪に巻き込まれた人々の悲しみに迫ってよりヒューマンな『コールドケース~』とそれぞれ特色があり、きちんと差別化されている。そこがブラッカイマー・ドラマの人気の理由だろう。2005年秋にはさらに4つのドラマが全米で始まるなど、今やブラッカイマー抜きにTV界は語れない。
シーズン4 第14話(通算第84話)“Odds or Evens”の一部は、なんと東京でロケ収録がなされた。2005年12月14日、ロケ地となったのはJR五反田駅のそばの路上。ジャックが在日海兵隊のオフィスを訪ねる場面、ジャックが日本のヤクザ、アサカワ(松方弘樹)とその手下たちに呼び止められる場面が収録され、他にも銀座の実景が本編に登場する。それまで海外ロケをしたことがない本作が、なぜいきなり東京でロケをしたか。それはジャック役のアンソニー・ラパリアが、自身がオーナーである豪州のサッカー・チーム「シドニーFC」がTOYOTAカップに出場するのでその応援のために来日することになり、そこでスタッフが東京を舞台にしたエピソードを企画したというのが理由だ。ちなみにこのエピソードの監督は俳優として「ザ・ホワイトハウス」などに出演しているティモシー・バスフィールドがつとめている。
東京ロケレポート
ロングランヒットの証、通算100話をこのシーズン5(2006/10/29米OA)で迎えたWITHOUT A TRACE。100回記念を祝うパーティーをキャスト・スタッフがそろって盛大に行われた。なお、通算100話(シーズン5第6話)""The Calm Before""には「ER緊急救命室」ベントン役エリク・ラ・サルがゲスト出演している。
シーズン5のゲストスター
ゲストにはシーズン4に引き続き、ジャックの恋人となるアン役で映画「アビス」「ロビン・フッド」のメアリー・エリザベス・マストラントニオ、「ER 緊急救命室」ベントン役のエリク・ラ・サル、「HEROES/ヒーローズ シーズン2」のニコラス・ダゴスト、「サード・ウォッチ」のマイケル・ビーチ、モリー・プライスが出演。第6話(通算#111)"Deep Water"は主演アンソニー・ラパリアが脚本を共同執筆、監督は「ER 緊急救命室」ロマノ役のポール・マクレーン。本作マーティン役のエリック・クローズは第20話(通算#114)で念願の監督デビューを果たしている。
シーズン6の見どころは、何と言っても「CSI:科学捜査班」とのクロスオーバー・エピソード!ラスベガスとニューヨーク、2つの都市でそれぞれ起きた事件をきっかけに、「CSI:科学捜査班」及び「WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!」両番組の捜査官たちが、お互いの番組に出演し、2つの番組にまたがって合同捜査を行うストーリーが展開するという必見のエピソード。合同捜査エピソードの前編は「CSI:科学捜査班」シーズン8の第171話(「絆に飢えた狼」)、後編は「WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!」シーズン6の第6話(「狼の末路」)として制作された。
本作の全米視聴率ドラマ部門(コメディ除く)における順位は、シーズン1=第4位、シーズン2=第4位、シーズン3=第4位、シーズン4=第4位、シーズン5=第6位、シーズン6=第7位と、もはや国民的ドラマと言える傑作シリーズである!原則として1話完結であるため、どこから見ても一級のミステリが楽しめるのが本作の魅力だ。
原題 | WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! Without a Trace |
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データ | 2002~2009年/アメリカ/二カ国語/60分/HD作品 |
製作総指揮 | ジェリー・ブラッカイマー、エド・レッドリッチ、ジョナサン・リットマン |
出演 |
アンソニー・ラパリア エリック・クローズ マリアンヌ・ジャン・バプティスト ポピー・モンゴメリー エンリケ・ムルシアーノ ロズリン・サンチェス |
あらすじ |
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