ストーリー
アルカトラズ刑務所での服役を終え、11年ぶりにニューヨークのハーレムへ戻るエルズワース・“バンピー”・ジョンソン。妻のメイミに迎えられ、車の中から様変わりしたハーレムの街を眺め、再びハーレムを仕切る気構えであった。人望があり、多くの地元民から慕われていたバンピーを待つ人々が、彼の帰還を歓迎する。11年前にバンピーがハーレムを去ってからは、イタリアン・マフィアが勢力を増し、バンピーが仕切っていたハーレムの街も5大ファミリーの一つであるジェノヴェーゼ・ファミリー傘下のヴィンセント・“チン”・ジガンテが幅を利かせるようになっていた。
帰還後間もなくすると、チンの右腕ザンブラーノが、シマ内の店で狼藉を働いたという報せを受け、バンピーたちは現場へと急行する。シマが荒らされている現状を目の当たりにしたバンピーは、服役中に奪われた縄張りを取り戻すためにチンの拠点へと乗り込んでゆく。これからもハーレムは自分のシマだということを主張し、シマで稼いだ売上の一部は上納するよう交渉を試みるも、チンに「時代は変わった」と一蹴されてしまう。しかしそこでバンピーは「俺は変わっていない」、「ハーレムは俺のもの」と、アジト内でショットガンを発砲し威嚇する。
敵地に乗り込んで騒ぎを起こしたバンピーらに、チンからの報復が下ることは時間の問題となり、バンピーの側近たちはそれを恐れていた。そんな頃、バンピーは偶然、チンピラ時代から知り合いだったマルコムXと再会する。今やネーション・オブ・イスラムのスポークスマンとして公民権運動や黒人解放活動を勢力的に行なっていたマルコムXは、全米中で絶大な影響力を持っていた。マルコムXは、麻薬がハーレム中に蔓延し、ある一角の住宅地がヘロイン取引や中毒者の巣窟になっていることを嘆き、住宅棟の閉鎖を望みバンピーに協力を要請する。ジェノヴェーゼ・ファミリーによって仕切られていた一角だったが、縄張りを取り戻したいバンピーと、住宅棟の閉鎖を望むマルコムXとの目的が完全に一致し、二人は同盟を組むことになった。
そんなある日、メイミの友人が相談を持ちかけてくる。彼女の息子のテディが、白人女と行方をくらませて困っているのだと言う。女の名はステラ・ジガンテといい、まさに宿敵のヴィンセント・“チン”・ジガンテの娘だった。バンピーはマルコムXのネットワークを借りてステラとテディを捜し出し、チンに奪われたかつての縄張りを取り戻すためのテコとしてステラを人質に取り、利用することを企てる。