21日(現地時間)、第24回SAG賞(全米映画俳優組合賞)授賞式がロサンゼルスにて開催された。
当日は、全米の主要都市で女性の権利を訴えるデモ行進が行われたこともあり、ハリウッドのセクハラ騒動に端を発した#MeTooムーヴメントの影響を色濃く反映した授賞式となった。
ステージでは、SAG-AFTRA会長の女優ガブリエル・カーテリス(「ビバリーヒルズ高校/青春白書」)が挨拶で、「真実はパワーです。女性は自らパワーを持つことを選択し始めました」とスピーチ。「私たちは、文化の変遷の真ん中にいます」と、これまで権力を持つ男性に立ち向かうことをためらっていた女性たちにエールを送った。
セクハラ騒動は、ノミネートを受けた俳優たちも無縁ではなかった。TV部門の男優賞(コメディ)にノミネートされていた、アジズ・アンサリ(「マスター・オブ・ゼロ」 )は、デートした女性から性的に不適切な言動を申し立てられ、この日は欠席。複数の女性から不適切な言動を糾弾されている、ジェームズ・フランコ(『The Disaster Artist』)は、先週の放送映画批評家協会賞を欠席したものの、SAG賞には姿を見せた。
一方で、TV部門の受賞では、いささか皮肉な結果も。女性の人権をテーマに、エミー賞、ゴールデングローブ賞を総なめした「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」が、この日は無冠。主演のエリザベス・モスもクレア・フォイ(「ザ・クラウン」 )に破れ、記念すべき年のSAG賞に勝利を手にすることは叶わなかった。
TV部門の受賞は以下の通り。
■アンサンブル賞(ドラマ)
★「THIS IS US 36歳、これから」
「ザ・クラウン」
「ゲーム・オブ・スローンズ」
「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
■アンサンブル賞(コメディ)
★「Veep/ヴィープ」
「black-ish (原題)」
「ラリーのミッドライフ★クライシス」
「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」
「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち」
■男優賞(ドラマ)
★スターリング・K・ブラウン 「THIS IS US 36歳、これから」
ジェイソン・ベイトマン 「オザークへようこそ」
ピーター・ディンクレイジ 「ゲーム・オブ・スローンズ」
デヴィッド・ハーバー 「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
ボブ・オデンカーク 「ベター・コール・ソウル」
■女優賞(ドラマ)
★クレア・フォイ 「ザ・クラウン」
ミリー・ボビー・ブラウン 「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
ローラ・リニー 「オザークへようこそ」
エリザベス・モス 「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
ロビン・ライト 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
■男優賞(コメディ)
★ウィリアム・H・メイシー 「シェイムレス 俺たちに恥はない」
アンソニー・アンダーソン 「black-ish (原題)」
アジズ・アンサリ 「マスター・オブ・ゼロ」
ラリー・デイヴィッド 「ラリーのミッドライフ★クライシス」
ショーン・ヘイズ 「Will & Grace (原題)」
マーク・マロン 「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」
■女優賞(コメディ)
★ジュリア・ルイス=ドレイファス 「Veep/ヴィープ」
ウゾ・アドゥバ 「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち」
アリソン・ブリー 「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」
ジェーン・フォンダ 「グレイス&フランキー」
リリー・トムリン 「グレイス&フランキー」
■男優賞(TV映画・ミニシリーズ)
★アレクサンダー・スカルスガルド 「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」
ベネディクト・カンバーバッチ 「SHERLOCK/シャーロック 臥せる探偵」
ジェフ・ダニエルズ 「ゴッドレス -神の消えた町- 」
ロバート・デ・ニーロ 「嘘の天才 ~史上最大の金融詐欺~」
ジェフリー・ラッシュ 「ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン」
■女優賞(TV映画・ミニシリーズ )
★ニコール・キッドマン 「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」
ローラ・ダーン 「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」
ジェシカ・ラング 「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」
スーザン・サランドン 「フュード/確執 ベティ vs ジョーン」
リース・ウィザースプーン 「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」
■スタント・アンサンブル賞
★「ゲーム・オブ・スローンズ」
「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」
「HOMELAND」
「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
「ウォーキング・デッド」
<「sagawards.org」 1月21日>