「NCIS ネイビー犯罪捜査班」の主演マーク・ハーモンは、今秋シーズン16を迎える人気シリーズのスターにもかかわらず、そのプライベートはオブラートに包まれたままだ。
「あえて明かさないというわけじゃない、僕らはそういう人間だってこと」とマーク。
タレント戦略でミステリアスを演出しているのではない、自分たちの信条に従っているだけ。そんなマークが、米オンラインメディアのインタビューに答えた。質問は家族にも向けられており、ハーモン一家のプライベートを少しだけ明かした、珍しいインタビューとなっている。
ロサンゼルスに生まれ育ち、今も華やかなロサンゼルスに暮らすマークだが、出歩くよりも我が家を好み、ツイッターやフェイスブックなどSNSにも無縁の地味暮らしだ。そして何より、マークの人となりを表しているのが、インタビューには「I(私)」ではなく、「we(私たち)」を使って答えること。「私たち」に含まれるのは、もちろん「家族」。マークは“ファミリー・ファースト”の家庭人なのだ。
妻は女優のパム・ドーバー。友人を介して出会い、1987年に結婚、二人の成人した息子ショーンとタイをもうけた。今も名残を残しているが、マークはかつて名門UCLAのアメフト選手。イケメンのモテ男にも結婚に対しては真摯な思いがあった。
「結婚したら決めていたことがある。浮気はしないぞって。この街(ハリウッド)では誰からもあり得ないって言われたけれどね」
その思いにパムも応えた。パムは、当時シットコム「モーク&ミンディ」でロビン・ウィリアムズと共演、タイトルキャラクターのミンディを演じていた。しかし、マークと結婚後、一線を退く。
「子どもが出来て考えが変わったの、もうスターになりたいなんて考えるのは止めようと。自分で子どもたちを学校に送ってあげたかったし、お誕生日もカップケーキやドーナツでお祝いしてあげたかった。その通りにできて幸せだったわ」(パム)
理想の結婚相手を見つけたマークを、さらに家庭人へと前進させたのは、ある出来事がきっかけだった。
「ニューギニアのジャングルで映画の撮影をしていた時、長男が初めて歩いたと知った。そんな大切な瞬間を見逃す価値のある仕事なんて存在しないって気づいたんだ」
たいした映画じゃなかったとジョークを飛ばす。長男の第一歩を見逃したことは、30年以上経った今も悔しい。売れっ子マークは、その後もTVや映画で活躍。特にTVではデンゼル・ワシントンの出世作で知られる「St. Elsewhere」や「シカゴ・ホープ」にレギュラー出演、そして主演シリーズ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」へ。
「空港やなんかで時々番組のファンに囲まれて歩くのも難しいことがあるけれど、文句なんて無いさ」とマーク。
家庭第一を決めた男は、今や米国中のお茶の間の顔になった。
<「closerweekly.com」 5月30日付け>