「SCORPION／スコーピオン」で人間計算機のような数学の才能を持つ天才シルヴェスターを演じる、アリ・スティダム。シルヴェスターは、番組のムードメーカー的な役割で、愛されキャラの一人だ。今ではすっかり馴染んだシルヴェスター役に選ばれたオーディションについて、アリが米サイトのインタビューで明かしている。

 

アリが最初に役を得たのは、17歳の時に出演したTVドラマシリーズ「Huge（原題）」。レギュラー出演だったものの、番組自体が１シーズンのみで終わったため、知名度は上がらず。後に「Glee」などにゲスト出演したが、アリが注目されることはなかった。

 

ほぼ無名、親と一緒に住んでいた21歳（当時）。それが「SCORPION／スコーピオン」のオーディションを受けた時のアリだった。

 

「あの役はあっという間に決まったんだ。パイロット版の撮影が差し迫っていたのに、まだシルヴェスター役がいなかったからね。土曜日にオーディションを受けて、翌日、僕が選ばれたと言われ、そのまま衣装合わせと本読みに参加したんだ。そして月曜日には撮影が始まったわけだからね。僕の人生はたった一度の週末で激変したんだよ」

 

超クイックすぎるアメリカンドリーム。

 

親の顔を見て過ごしていた毎日から、「ゲーム・オブ・スローンズ」のエリス・ガベルや「アメリカン・アイドル」のキャサリン・マクフィーらと肩を並べて演技する日々が始まったのだから。

 

「SCORPION／スコーピオン」の放送が始まってからは、お茶の間の顔の仲間入り。

 

「皆（視聴者）が、シルヴェスターのことを親身に思ってくれるのに驚いているよ。うまく演じられている証拠だと思って安心している」

 

今は家を出て一人暮らし。自分で家賃や光熱費を払えることが何より嬉しい。同級生がまだ大学生の年齢で独り立ちができたことは、アリの誇り。

 

「まだ若いうちに稼げるようになったんだからね、最高の気分さ」

 

「SCORPION／スコーピオン」で地に足をつけてから、アリはインディペンデンス映画の製作、音楽活動、ミュージカルの演出など多方面に活躍している。天才数学者というよりは、シーズン４の第一話で見せた歌って踊るエンターテイナー、それが本当のアリなのだ。

 

「僕はエンターテイメント全般が好きなんだ。死ぬまで、ずっとパフォーマンスし続ける、それだけは言えるよ！」

 

＜「broadwayworld.com」　5月1日＞