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海外ドラマ最新レポート Vol.73 「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」のキャスリーン・ロバートソン、脚本家業にも意欲

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カナダ人女優キャスリーン・ロバートソンは、「MURDER IN THE FIRST/第1級殺人」や「ビバリーヒルズ青春白書」で日本の海外ドラマファンにもおなじみの美人女優だ。
 
そのキャスリーンが、最近、女優業と並行して脚本家業にも進出している。すでに小説「The Possililities」や「Little Bee」、アメリカン・コミック「Lady Killer」の実写版にそれぞれ脚本家として参加。脚本家業に意欲を見せるキャスリーンに、米紙がインタビューを行っている。
 
キャスリーンが実際に脚本を発表し始めたのは、ここ数年だ。しかし、誰にも見せてなかっただけで、これまでも短編小説や脚本を書いては、ひっそりと机の引き出しにしまい込んでいたのだと、キャスリーンは言う。
 
「正確には10歳の時から日記や短編小説を書き始めているわ。それから(女優になり)いろいろな場所に仕事で出かけ、そのたび撮影の合間にうんざりするほどの空き時間を経験してきたわけ。そこで私は一歩前進して、いくつかの本を元に脚本を書き、実際にいろいろな人に読んでもらうことを始めた。別に脚本を売るつもりもなかったし、皆が何を求めているのとか考えていたわけじゃなかった。ただ自分が興味のあるものを書きたかっただけ。私は『これを見て欲しい』と自分が思うものでなければ、書くつもりはないの」
 
もちろん、今でも“女優”であり続けるつもり。ただ、女優として演じるだけでは足りないくらい、興奮できる何かに出合った時、それを世界中に知らしめるべく、書く。キャスリーンは驚くほどピュアな気持ちで、脚本に取り組んでいる。
 
そして、実際に演じている自分だから、違った視点で脚本が書けるのもキャスリーンの強み。
 
「ほとんどの脚本家は役者じゃない。だから、彼らは役者のための脚本の書き方が分からない。そこが、私に仕事が廻ってくる理由の一つだと思っているの。私はジュリア・ロバーツのために脚本を書くことができる。ジュリア・ロバーツがどんなふうに脚本を書いてもらいたいか分かっているもの」
 
現在、キャスリーンが脚本に参加している「Little Bee」の主演はジュリア・ロバーツ。まさに、キャスリーンはジュリアのために役者目線で脚本を書いている。有名スター、大物スターの出演はヒット作になるための確かな近道だから、キャスリーンが重宝されるのも当然だろう。
 
キャスリーンの思う役者視線とは、「キャラクターにどうなりきるか」「キャラクターにどう生気を吹き込むか」「キャラクターに何を与えられるか」、それらが読み取れる脚本が役者にとっては良い脚本。けれど、女優/脚本家のキャスリーンは、脚本ができることはそこまでだと考えている。キャラクターに役者が与える最大の個性、それが“声”。
 
「難しいのは、声がキャラクターにハマるかということ。声は一人一人独特で、役者はその声でキャラクターに同化しないといけないから。もう自分の声じゃない、そのキャラクターの声になるのよ」
 
その整い過ぎた顔立ちは女優として足を引っ張っることもあったかもしれない。しかし今は脚本家として作品への深い理解が、キャスリーンをより深みのある女優へと引き上げる。
 
 
<「variety.com」 11月15日>