「ブラックリスト」にITスペシャリストのアラム役で出演中のアミール・アリソンは、コメディリリーフとして緊迫した場面を和ませる人気者。新シーズンとなるシーズン6を迎え、ますます張り切るアミールが、「ブラックリスト」で最も記憶に残る思い出について語っている。
「(出演シーンの中から)選ぶのは難しいよ、8,000くらい思い出に残るシーンがあるんだから。あえて挙げるとするならば、シーズン3第9話(「局長(前編)」)の、アラムがリズを箱の中から救い出すシーンだろう。僕とジェームズ(・スペイダー)が絡むシーンはあまりないのだけれど、そのエピソードの最後の方で、ジェームズと一緒のシーンがあったんだ。そこでのジェームズの長台詞が素晴らしかった。アラムは何が起こっているか分かってないまま、レディントン(ジェームズ・スペイダー)にやっと認めてもらったというシーンだったな。僕の台詞は二行あるかないか、ただ聞いてるだけだったよ。あの撮影の時は暗くて、僕の側からのワンテイクで終了した。とにかくジェームズが良かったんだ。うまく言えないけれど、魔法がかった時間だったね」
アミールにとって、ジェームズは雲の上のような存在だろう。そのジェームズと一緒のシーンで、渾身の演技を見せる名優の姿に、アミールの心は震えたに違いない。
さらにアミールには、もう一つ、シーン以外での印象深い出来事があるという。涙の思い出だ。
「撮影以外では、シーズン1の最後の頃、僕をシーズン2からレギュラーに昇格させると連絡をもらった時のことをよく覚えているよ。マネージャーが電話をかけてきたのだけど、僕はたまたま寝ていたんだ。だからマネージャーは僕に伝言メッセージを残してくれた。そのメッセージには、『“さあ、あの(レギュラー昇格の)手続きを始めるよ”って言われたわよ』と入っていたんだ。僕は飛び起きて、もう一度メッセージを聞き、泣いたのさ」
笑いあり、感動あり、涙あり。たくさんの経験をアミールに与えてくれた「ブラックリスト」。6シーズンを数えても、その興奮は変わらない。
「(クリエーターの)ジョン・ボーケンキャンプと彼のチームは、何をどうやったらこんなおもしろい番組を作るのか、僕には見当がつかないよ。俳優なら誰だって、だらだらとストーリーを続け、こてこての事件が巻き起こる番組なんて御免と思うはず。『ブラックリスト』では、震えあがるような出来事が次々起こり、まさかと思うような過去が暴露されたりする。僕自身、大ファンなのさ、誰よりも早く脚本を手にできる視聴者代表みたいなものだね」
「ブラックリスト」に欠かせない顔とはいえ、視聴者目線で語ってくれるのがファンには嬉しい。出演者とファンの間に立つ、そんな気さくなムードがアミールの最大の魅力かもしれない。
<「gotham-magazine.com」 1月2日>