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海外ドラマ最新レポート Vol.111 「ベター・コール・ソウル」のボブ・オデンカーク あの名キャラクター誕生秘話明かす

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米で新シーズンの放送が待たれる、「ベター・コール・ソウル」。主演のボブ・オデンカークが、米エンタメサイトで製作秘話を明かしている。
 
本家の「ブレイキング・バッド」は、シーズン5まで製作され、2013年に大きな反響を残したまま終了した。その前日譚ドラマの「ベター・コール・ソウル」は2015年にスタート、本家に並ぶシーズン5の製作が決定している。
主演番組の継続もさることながら、ボブが一番驚いているのは演じるキャラクター、“ソウル・グッドマン”がここまで成長したこと。
 
「考えてもなかったよなあ。『ブレイキング・バッド』の頃は、3つか4つのエピソードに出てくれと言われてただけなんだから」と、ボブ。「ブレイキング・バッド」シーズン2に登場したソウルは、数話のみのゲスト出演扱いだったのだ。
 
「あの頃、まだ彼ら(脚本家チーム)がシーズン2の脚本を書いている途中で、どのキャラクターがどのくらい必要かなんて分からないまま撮影をスタートさせてたんだ。最初にオファーがあった時は、6、7、8話あたりの話を書いていたと思う。第4話から出てくれと言われたのだけど、ちょうど僕が『ママと恋に落ちるまで』の準レギュラーだったシーズンで、スケジュールが合わなかった」
 
シリアスもコメディも、何でも演じられる売れっ子にスケジュールの調整はつきもの。ソウルが登場してからも、スケジュールは容易に確保できない。ストーリー展開の遅れに困った「ブレイキング・バッド」の脚本家チームは苦肉の策をひねり出した。
 
「そこにマイクというキャラクターを作り出したわけさ。ソウルの代わりにストーリーを進めるキャラクターをね。それがマイクだったんだ。なんてグッドアイデアだったんだろう!」
 
エミー賞にもノミネートされたジョナサン・バンクス演じるマイク・エルマントラウトは、「ブレイキング・バッド」では当初脇キャラとして登場したものの、徐々に存在感を現し、「ベター・コール・ソウル」では準主役にまで上り詰めている。名キャラクター、マイクは、ボブの多忙なスケジュールをつなぐために生まれたのだ。
今となれば“ひょうたんからコマ”のキャラクターは、実はソウル自身にも当てはまるのかもしれない。
 
「(『ブレイキング・バッド』に)ソウルが必要だった一番の理由はストーリーを進めたかったから。そして、『ブレイキング・バッド』でソウルが最初に登場したエピソードの脚本を書いたピーター・グールドは、コメディ調のキャラクターを描くのが楽しかったと言ってたよ。『ブレイキング・バッド』には、そんなキャラクターが他にいなかったから。だけど見方によっては、笑えるシーンもあったような気もするねえ(笑)」
 
マニアックな見方は別にして、「ブレイキング・バッド」に足りなかった要素といえば、コメディだったのは間違いない。緊張が続くストーリーの中で、視聴者のニヤリを引き出そうとするなら、一歩間違えば、大やけどになりかねない。その難しいキャラクターをグールドが生み出し、ボブが完璧に演じてみせた、それがソウル・グッドマンなのだ。
 
芸達者なボブがいたからこそ誕生した本作。そして「ベター・コール・ソウル」の製作者には、ヴィンス・ギリガン(「ブレイキング・バッド」製作者)と共同で、グールドの名前が並んでいる。
 
 
<「awardsdaily.com」 5月3日>