「
NCIS: LA 極秘潜入捜査班」にグレンジャー役でシーズン3から出演していた、ミゲル・フェラー。2017年1月に喉頭がんのため惜しくも61歳で逝去、同番組にはシーズン8での出演が最後となった。
「ツイン・ピークス」や「女検死医ジョーダン」など、海外ドラマファンには脇役として、おなじみの顔だったミゲル。有能、クール、そんなキャラクターで数々の印象的な役を残した名優は、米のショービジネス界にもう一つ、大きな貢献を残した。
いとこのジョージ・クルーニーにハリウッド行きを勧めたのだ。
世界有数のスーパースターでスーパーセレブでもあるジョージ、現在のイメージとは程遠いものの、米中西部ケンタッキー州で生まれ育ったカントリーボーイだった。高校では、バスケットボールに熱中するかたわら、科学部にも所属、文武両道の優等生的な青春時代を送っていたとか。
「子供の頃は俳優になるなんて考えてもみなかった」とジョージ。父はTVのキャスター、伯母は有名歌手のローズマリー・クルーニーと芸能一家に育ちながら、当人はショービズネスに興味がなかったという。
しかし、その青年ジョージの運命を180度変えたのが、いとこミゲルとの再会。
「僕のいとこで才能ある俳優であるミゲル・フェラーが、映画を撮るためケンタッキー州にやって来たのさ。そして撮影の終わる頃、僕に言ったんだ、『俳優をやってみないか、ハリウッドに来いよ』ってね」
ジョージは深く考えることもなく、「それもいいね」と答えたという。保険販売や建築業、タバコ工場など職を転々としていた時期、答えをためらう理由はなかったからだ。
それから長い下積み生活を経て、1994年からスタートした「ER 緊急救命室」でジョージはスーパースターの道を歩み始める。
今は亡きミゲルは、まぶしいばかりのいとこの成長をどう見ていたのだろう。ジョージのスター性を見抜いていたのか、それとも単に遊び友達が欲しかったのか。今となっては真意は分からないものの、ミゲルの一押しは大きかったはずだ。田舎でくすぶっていたジョージをハリウッドに呼び出したのだから。
ジョージにとっては、いとこ以上の存在、確かにミゲルは恩人なのだ。
<「us.hola.com」 5月7日>