俳優のジョー・マンテーニャが、ロッシ役で出演していた「
クリミナル・マインド」での忘れられないエピソードについて語っている。
米情報番組に出演したジョー、司会者から「クリミナル・マインド」での好きなシーンについて質問され、「たくさんあるよ」と頭を抱えた上で、実の親友との共演エピソードを挙げた。「どれかを挙げるとしたら、僕の実生活での親友の一人、メシャック・テイラーが出演した3話に渡るエピソードだろうね」
ジョーとメシャックは共に1947年生まれ。ジョーはイタリア系米国人、メシャックはアフリカ系米国人だ。人種や肌の色も違うが、気の合う二人は家族ぐるみの親友だったという。
「僕はメシャックの子供たちのゴッドファーザー(後見人)であり、彼は僕の子供たちのゴッドファーザーでもあった。僕と彼は1960年代後半の芝居『Hair』で出会い、そこから僕らの役者人生はスタートしたんだ」
やがてメシャックは「浮気なおしゃれミディ」など主にシットコムで活躍。「番組に呼んだのは僕のアイデアだった。彼は素晴らしい俳優だからね。シットコムで有名だったけど、彼のドラマチックな演技を見てみたいと思ったんだ」とジョー。
メシャックが最初に「クリミナル・マインド」に登場したのは、シーズン8第7話「英雄との再会」。ロッシのベトナム戦争時代の上官で、今はホームレスとなっていたハリソン・スコットを演じた。「僕の執筆アシスタントのダニー・ラムが考えたストーリーなんだ。メシャックとのシーンは、LAのストリートでホームレスになった彼を僕が偶然見かけるところから始まる。そこから計3話に渡って展開するわけさ」
しかし、友情を温め直す時間は長くは続かなかった。メシャックが末期のガンと宣告されたのだ。
2014年1月に放送されたシーズン9第13話「帰郷」では、ジョー自身がメガホンを取り、メシャックが二度目の登場を果たした。その後、メシャックは闘病の末、同年6月に逝去するのである。その死を悼み、再びジョーが監督したシーズン10第12話「英雄の死」で葬儀シーンを挿入している。
「最後に(メシャックの演じた)キャラクターも亡くなり、僕らは彼のために葬儀シーンを撮影した。とても特別なことさ。単なるキャラクターの一人じゃなくて、僕の親友の一人だったからね。彼の死を描かせてくれたことに、とても感謝している。一生忘れないよ」
俳優冥利につきる方法で親友を送りだせたことは、悲嘆にくれていたジョーにとって何よりの励まし。大ベテラン、ジョーの長い俳優人生の中でも忘れられないエピソードになったことは間違いないだろう。
<「newyork.cbslocal.com」1月8日>