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海外ドラマ最新レポート Vol.235 新型コロナ対策は万全 ネットワークTVドラマの先頭切って「S.W.A.T.」撮影再開

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新型コロナウィルスの猛威から、3月半ば以降、完全停止していた米TVシリーズの撮影がついに再開された。ネットワークTVシリーズの先頭を切って再開されたのは、米CBSの「S.W.A.T.」(シェマー・ムーア主演)だ。5ヶ月間の停止を経て8月4日、シーズン4の撮影が始まった。
 
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、安全確保は万全だ。撮影に関わる出演者、スタッフ全員に対し検査を実施、感染者の有無を確認した上での再開。開始日は終日ロサンゼルス郊外でのロケ撮影だったという。
 
久々の撮影を終え、シェマーは自身のSNSで現場からの一枚とコメントを投稿。
 
「ホンドー(シェマーの役名)が戻ってきたぜ。俺たちは『S.W.A.T.』シーズン4を皆の元に届けるため、たくさんの試練を乗り越えている。だけど俺たちは負けないぜ、安全に気をつけて、皆に喜んでもらえるようなアクションとドラマをお届けするよ!」
 
興奮のコメントは、撮影再開に至るまでの労苦を思えばこそだろう。「S.W.A.T.」では主演に加えプロデューサーの肩書も持つシェマー。出演者とスタッフ全員の安全確保には誰よりも留意する理由があったのだ。
 
米国では、俳優、カメラマン、メイキャップアーティストなど、ほとんど全ての出演者、スタッフがハリウッド(もしくは各地域)の労働組合に属している。このため常に組合員が安全に仕事ができる環境を求める組合と、制作側は話し合いを行う。当然、制作側は費用、時間の面で制限があるため、組合側との合意が難航するのは想像に難くない。
 
今回の新型コロナウイルス対策では、検査の回数・頻度、対策担当者の所属先(組合側か制作側か)、また陽性者の疾病手当まで様々な項目について双方で交渉が行われているという。
 
こうした安全基準をクリアした「S.W.A.T.」に続き、「グッド・ドクター 名医の条件」、ニューヨークで撮影が行われる「ブラックリスト」、カナダ・バンクーバー撮影の「スーパーナチュラル」なども再開のめどが立ってきた。その他多数のTVシリーズは9月初めに再開される見通しだ。
 
コロナ禍でも、エンターテイメントの灯は消さない。ニューノーマル(新基準)を満たした米TV界が再び動き始めている。
 
 
<「deadline..com」    8月4日>