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海外ドラマ最新レポート Vol.296  「マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー」逮捕のきっかけは文章の癖

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1978年から17年にわたり、全米の人々を震撼させた連続爆弾魔ユナボマー。逮捕に至るまでのFBIの執念ともいえる捜査を、若きプロファイラーの目を通して描くのがミニシリーズ「マンハント:謎の連続爆弾魔ユナボマー」だ。同ミニシリーズで主演サム・ワーシントン(『アバター』)演じるプロファイラーのモデルとなったジム・フィッツジェラルドが、米エンタメサイトのインタビューに答えている。
 
元FBIプロファイラーのフィッツジェラルドが、事件解決に導いたプロファイリング手法は、当時としては画期的なものだった。言語解析にフォーカスしたプロファイリングで、犯罪者の使う言葉遣いや文章の特徴、癖などを元に容疑者を特定する手法だ。「当時、法律の分野では言語解析の手法はすでに取り入れられていましたが、犯罪捜査に利用したのは私が初めてでした。私は大学で心理学の修士号を取得していたのですが、言語学は学んでなかった。ユナボマーの事件に関わった時も、まだ言語学についてほとんど知識がなかったのです」それでもフィッツジェラルドは読書が好きで、クロスワードやスクラブルといった言葉遊びにも長けていた。言葉には敏感な青年だったのだ。「1995年の夏、2500名もの人々にユナボマーの疑いがありました。翌2月になり、テッド・カジンスキーの名前が浮上してきたのです。2500名の中の一人だったのですね」
 
テッド・カジンスキー、後にユナボマーと特定された連続爆弾魔だ。テッドの弟のデヴィッドが弁護士を通してFBIに通報した。それが逮捕につながったと言われている。「最初にテッド・カジンスキーの書いた物を読んだのが私でした。ユナボマーの文章と照らし合わせて『彼だ』とピンと来たのです。デヴィッドの通報は手柄ですが、自分の兄弟が犯罪を犯したと通報しても、それだけでは逮捕できません。証拠や根拠を積み重ねていかなければなりませんから」当時ユナボマー逮捕につながる情報提供者には100万ドル(約1億900万円)の報奨金がかけられていた。偽の情報に溢れていたことだろう。その中で兄が怪しいと通報したのがデヴィッドだ。具体的な証拠があったわけではなかったが、フィッツジェラルドの言語解析プロファイリングが決め手となり、逮捕になった。のちに報奨金を手にしたデヴィッドは、その大部分を爆破事件の被害者に寄付したという。
 
FBIプロファイラーの職を辞したフィッツジェラルドは、犯罪コンサルタントとして活動、本の執筆も続けている。米国のみならず世界中の人々の注目を集めたユナボマー事件。このミニシリーズでは脚色されているものの、FBIの戦いがリアルに描かれている。フィッツジェラルドは「皆が長年の間、知りたいと思い続けていた疑問が描かれています。その答えが分かると思いますよ」と、作品の出来栄えに賛辞を送っている。
 
 
<「assignmentx.com」  2017年9月5日>