海外ドラマにおいて、どんな人気シリーズでもシーズンを重ねると避けられないのがレギュラー陣の降板だ。米で15シーズン続いた「
クリミナル・マインド」もキャストの去就が激しいシリーズだった。その中で最初にレギュラー陣から降板したのが誰か、ファンは覚えているだろうか、エル・グリーナウェイ役のローラ・グラウディーニだ。エルは、FBIのBAU捜査官としてパイロットエピソードから登場。情報分析官のガルシア(カーステン・ヴァングスネス)と同じく、最初のBAU女性捜査官だ。
クールでキリリとしたルックスのローラ。「クリミナル・マインド」以前にも「ザ・ソプラノズ」でFBI捜査官を演じていた経験もあって、エル役にはふさわしいキャスティングでもあった。それにもかかわらず、ローラはわずか2シーズンで降板してしまった。米エンタメサイトによれば、その早すぎる降板理由とは、撮影地であるLAでの暮らしが合わなかったから。イタリア移民の家系に育ったローラはNY生まれのNY育ち、生粋のニューヨーカーだ。NYとLA、文化も気候も英語の訛りも違う場所での生活がローラには我慢できなかったというのだ。
また、エル役は演じるに辛いキャラクターだったかもしれない。エルは性犯罪専門捜査官。真面目な性格のキャラクターであったことから、女性や子供が被害者の場合には捜査がヒートアップすることも。しばしば上司の命令に歯向かったことから、ファンの間では「最も好ましくない『クリミナル・マインド』の女性キャラクター」と不当に評価されたこともあった。明確な理由はローラも明かしていないので分からないが、家族や友人の少ないLAで精神的に難しい役を演じるのが堪えたのは間違いないだろう。ローラはその後も「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」などTVを中心に活動を続けている。
「クリミナル・マインド」は他にも、シーズン3で主役のギデオンを演じていたマンディ・パティンキンが降板。主役及び主要メンバーが初期に立て続けに降板し、ここまで続いたのは珍しいと言えるかもしれない。とはいえ「クリミナル・マインド」が15シーズン続いたのは、2005年の放送開始当時珍しかったダークミステリーを貫いた脚本の力。また、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーやモーガン役のシェマー・ムーアら新しいスターが生まれたことも大きかったはずだ。過去のシーズンを振り返り、キャストのまだ若々しい顔を振り返るのも、早くに降板した懐かしい顔を見つけるのも、ロングランシリーズのファンにとって楽しみの一つなのだろう。
<「nickiswift.com」 5月25日>