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海外ドラマ最新レポート Vol.328  「カジュアル」のミカエラ・ワトキンス、大人気コメディ番組をクビになって良かった~

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恋愛コメディシリーズ「カジュアル」で主役の精神科医ヴァレリーを演じている女優ミカエラ・ワトキンス。「New Girl 〜ダサかわ女子と三銃士」「エンライテンド」など海外ドラマで顔なじみの方も多いだろう。米国でのブレイクアウトといえば、2008年から1シーズンのみ出演していた「サタデー・ナイト・ライブ」(略して「SNL」)。米NBCで46シーズン続いている超ロングランのTVコメディ番組だ。
 
ミカエラは、今から13年前、36歳の時「SNL」のレギュラーメンバーに加入。当時、女性メンバーとしては最も年上でレギュラー入りした記録を打ち立てた。(その後、レスリー・ジョーンズが47歳で加入し記録を更新)「SNL」レギュラー時はギークなブロガー、アンジー・テンプラなるキャラで登場、他には有名人のものまねも得意としていた。しかし、ミカエラの名前と顔が売れ始めたと思ったのも束の間、なんとわずか1シーズンでクビを言い渡されてしまう。当時の気持ちを、ミカエラが米エンタメサイトにて明かしている。
 
「ショックだったわ。そして悲しかった、自分が期待に応えられなかったみたいに思えて」 「SNL」では人気・実力のあるコメディアンは何シーズンも続けて登場するが、イマイチだと思われてしまったら、レギュラーの座は簡単にはく奪されてしまう。「SNL」のクリエーターで番組の顔でもあるローン・マイケルズは、なぜ才能あるミカエラのクビを切ってしまったのだろう?
 
「ローン・マイケルズが何を考えてるかなんて誰も分からないわよ。そこが彼の彼たるゆえん。彼がいなかったら、番組が滞ってしまうわ。1シーンだって撮影できない、そのくらい彼の力が大きいの」
 
「SNL」の出演者は、舞台での経験は豊富でもTVカメラの前ではまだまだアマチュア。スタンダップコメディや芝居で芸を磨いた新人がオーディションを受けるのだ。そして「SNL」で演技に磨きをかけ、自身の主演シットコムや映画へと羽ばたく。それが「SNL」のエリートコース。「ローンから聞いたクビの理由は一言だけ。私は自分のシットコムを持つべきだと思うんだって。そこは私も同意してる」ミカエラいわく、マイケルズはお世辞が言えない人なんだそう。正直なのか、口下手なのか、とにかくマイケルズはミカエラ主演の「カジュアル」誕生をずっとずっと前から予知していたことになる。
 
実力を認めた言葉を掛けてもらっても、クビになった当時はやはり落ち込んでいた。それでも愚痴はほどほどにポジティブへの変わり身が早いのが成功の秘訣。「『SNL』に出してもらって、いろいろな演技が出来たし、いつか自分がやりたいと思ってたことにも挑戦できた。それに番組を辞めるのは早かれ遅かれだったと思うのよ」
 
「SNL」以降、低迷期も経験したが長くはなかった。TVシリーズにはメインキャストでレギュラー入りする貫禄も得た。「SNL」時代の仲間と肩を並べて再共演することもある。わずか1シーズンだけの「SNL」卒業生。他の卒業生と比べてもキャリアと実力は決して見劣りしていない。きっとクビじゃなかった、ミカエラは早めに卒業しただけなのだ。
 
 
<「ew.com」2019年9月4日>