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レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」で凄腕フィクサーのレイを演じるリーヴ・シュレイバーが、米のラジオ番組に出演した。その中で、名優ジョン・ヴォイトが演じたレイの父親で厄介者のミッキー役に、別の俳優の名が上がっていたと明かしている。その当初上がっていた俳優の名とは、クリストファー・ウォーケン。映画『ディア・ハンター』でアカデミー賞助演男優賞を受賞している、彼もまた名優だ。
「僕らはもともとミッキー役にクリストファー・ウォーケンを考えていた」
当時を思い出すように語るレイ。「ある時、(クリエーターの)アン・ビダーマンが、クリストファーの演じるミッキーを超えられるのは、ジョン・ヴォイトだけだと言い出したんだ」 名優二人、ジョン・ヴォイトとクリストファー・ウォーケン。どちらが演じても、結局のところ、素晴らしい出来になることは予想がついた。それでもクリストファーよりジョンを選んだ理由とは。
「彼の魅力だよね。誰しも声(台詞)で演じようとするけれど、ジョンは人を引き付ける完璧な魅力で演じるんだ。彼は人間として細胞の一つ一つまで愛されるために生まれてきた男だ。魅力の塊だよね。歌って良し、踊って良し、笑わせて良し、とにかく何でもできるんだ」
映画『帰郷』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジョン。これ以上ないほどのキャリアを積んだ名優にリーヴは最大限の賛辞を送る。そしてその判断は間違っていなかった。「ジョンはひとたび役に入ると、自分と役の間に奇妙なまでに素晴らしいコネクションを作り上げるんだ。(ミッキーは)常に心の内に葛藤を抱え、二面性も持つ男。ジョンはそんなミッキーを最高のキャラクターに作り上げたのさ」 プライベートではスキャンダルも多いジョン、それでも俳優として第一線で活躍し続けるのは、名優としてリスペクトされているからこそ。「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」で共演し、リーヴのジョンへのリスペクトはより強くなったに違いない。
<「ew.com」 2021年2月8日>