米NBC「
ブラックリスト」で主役のレイモンド・“レッド”・レディントンを演じるジェームズ・スペイダー。映画『セックスと嘘とビデオテープ』『クラッシュ』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』とハリウッドでも恵まれたキャリアを誇るジェームズでさえ、米で今秋シーズン10を迎えるロングランシリーズ「ブラックリスト」への思いは格別のようだ。
ジェームズの深すぎる「ブラックリスト」愛が明らかになったのは、ITスペシャリスト、アラム・モジタバイ役のアミール・アリソンが行ったインスタグラムでのライブ配信にて。シーズン9に出演したディアニー・ロドリゲスとカリーナ・アロヤヴを招いたインスタライブで、「ブラックリスト」の裏話を披露したのだ。ジェームズについて口火を切ったのはカリーナ。「全エピソードで、脚本家と監督のクレジットを与えられてもおかしくない」と多岐にわたる仕事ぶりを絶賛した。アミールも「ジェームズは製作総指揮者としてもクレジットされているけれど、実際その通りの仕事をしている」と追随。主演のスターが名ばかりの肩書を与えられているわけではなく、現場で作品のクオリティを高めているのがジェームズだというのだ。
アミールによれば、通常、TVの撮影で中心になるのは脚本家チームなのだとか。現場において、脚本家はそのエピソードの監督とほぼ同レベルの責任を担う。しかし「ブラックリスト」の場合、撮影自体がNYで行われるのに対し、脚本家チームはLAに滞在しているため、現場のジェームズら製作総指揮者が監督と共に撮影の細部にまで目を配っているという。
「ジェームズはシーズンを通しての今後の展開を知っているんだ。僕らはエピソードごとしか知らないんだけどね。だから彼はちょっとした台詞を調整できたりもする」と、アミール。たとえば「~できたのに(could have…)」「~しただろう(would have…)」など英語の文法が少し変わるだけで、ストーリーは大きく異なる。今後の展開を知るジェームズだから、台詞の言い回しを調整することが可能なのだ。
「全くもって、ジェームズは“レディントン”と同じだよ。驚異的に緻密なレベルで仕事をしてるのさ」とアミールも降参だ。「ブラックリスト」は、ジェームズにとって心血を注ぐ特別な作品。共演者を仰天させる仕事への姿勢は、深すぎる作品愛の証明なのだ。
<「express.co.uk」 3月10日>