たいていの海外ドラマファンにとって、エル・ファニングを最初に知ったのは、(かつての)天才子役ダコタ・ファニングの妹としてではないだろうか? 4つ年上の姉が、名優ショーン・ペンに一歩も引かない演技を見せた映画『アイ・アム・サム』で、2歳のエルはダコタの幼少期を演じた。TVミニシリーズ「TAKEN テイクン」でも同じこと。ダコタの後を追いかけて、エルの女優人生はスタートした。
当時、「私は有名でも何でもなかったけれど、クレイジーな毎日を送っていたわ。ダコタのことを追いかけていたの。あの頃の自分にぞっとするくらいよ」 幼少期からガッツは姉にも負けなかった。やがてエルの才能は開花、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『SUPER8/スーパーエイト』など大作での印象的な演技が認められ、若くして主演格女優に成長したのだ。
そうなれば、姉妹の仲が詮索されるのは世の常。 「私たちはとても近しい間柄よ。私たちなりの方法でうまくバランスをとって付き合えていると思うわ」 ロサンゼルス郊外で実母と同居しているエル。そのすぐ近くにダコタも住んでいるのだとか。世間がライバル扱いしようが、二人は家族なのだ。
このパンデミック以前、二人が初共演する企画が上がっていた。第二次世界大戦時を舞台にした小説「The Nightingale(原題)」の映画化だ。 「めったにない機会だし、私たちにとってスペシャルな経験だと思っている。“初共演”は二度とないことだから、成功させたいの」 元々は2020年に公開予定だったが、パンデミックで製作がずれ込み、現時点で公開のめどは経っていない。完璧にこだわる姉妹の思いがあるだけ、スケジュール調整など難航しているのかもしれない。
初共演はしばしお預けとなってしまったが、姉妹の関係は何もゆるぎない。 つい最近、エルは偽名を使って霊能者に見てもらう機会があったとか。霊能者はダコタとエルの関係を陰と陽のようだと語ったという。「ダコタは(未来から来た)宇宙人で、私は過去から来たというのよ。だからダコタは人より少し進んでいるんだって。私はTikTok時代に合ってないと感じているから、当たっているのかもね」 ダコタを追いかけまわした幼少期。今も姉は少し先を進んでいるけれど、エルはもうその距離をつめようとはしない。姉妹の程よい距離が仲を良好に保つ秘訣なのだ。
<「etonline.com」 4月4日>