TVシリーズにとって、キャスト同士、特に主演同士の相性は大切だ。米の超ロングランTVシリーズ「
LAW & ORDER:性犯罪特捜班」の場合、主演のマリスカ・ハージティとクリストファー・メローニの相性の良さが、24シーズンも続いている大きな理由の一つかもしれない。正確に言えば、シーズン1のパイロット版からオリビア・ベンソン刑事役で出演しているマリスカに対し、エリオット・ステイブラー刑事役のクリストファーがレギュラー出演していたのはシーズン12まで。以降、オリビアの相棒にはダニー・ピノ演じるニック・アマーロ刑事が就いている。
しかし、一部の過激なファンは、オリビアの相棒をエリオットしか認めていない。さらに役を超え、二人の間柄を妄想する悪ノリファンもいるという。そんな悪ノリファンの仕業だろうか、何者かがクリストファーのウィキペディアに虚偽の情報を書き込んだ。その虚偽の情報とは、マリスカがクリストファーの“第二夫人”だというのだ。もちろん、クリストファーとマリスカは共演者の間柄以外、何のつながりもない。クリストファーには、連れ添って27年になる妻ドリス・シャーマン・ウィリアムズがおり、マリスカも俳優ピーター・ハーマンと2004年に結婚している。
なんともイタい妄想だが、過激なファン心理には慣れっこの二人は笑い飛ばす。「いいじゃない。ある意味、そんなもんでしょ」とマリスカ。つまり二人が共演していた12シーズンの間は、それぞれの配偶者よりも長い時間を共にした濃い関係であることは間違いないというのだ。 「私とクリストファーが結婚する日が来るとは思えないけれど、“第二夫人”みたいなもの、といえばそうなのかも。私は(彼にとって)妻であり、セラピストであり、親友であり、妹であり、母でもあるわ」と、マリスカはファン心理を思いやる。クリストファーは「過激なファンは僕らが配偶者と別れてしまえと思ってるんだろう」と苦笑い。ファンの暴走も冷静に捉えているようだ。
「LAW & ORDER:性犯罪特捜班」のレギュラー降板以降、ステイブラー刑事役から完全に遠ざかっていたクリストファーだが、シーズン22第9話「再会」で再登場、たびたびゲスト出演するようになった。そして2021年からスタートした「LAW & ORDER」シリーズの最新スピンオフ「
LAW & ORDER: 組織犯罪特捜班」では、同じくステイブラー刑事役で主役を務めている。ステイブラー刑事が復帰したことで、過激なファンの妄想も再燃したのだろうか? 悪ノリもほどほどに、愛するTVシリーズをマナー良く楽しみたいものだ。
<「people.com」 9月20日>