「トランスプラント 戦場から来た救命医」のジョン・ハナーが、カナダのオンラインメディアのインタビューに答え、同シリーズへのキャスティングについて語っている。 「トランスプラント 戦場から来た救命医」で、主役のバッシュ（ハムザ・ハク）ら若手医師の良き師となる、ジェッド・ビショップ医師を演じているジョン。名門王立スコットランド音楽演劇アカデミーで演技を学び、映画『フォー・ウェディング』（1994年）でブレイク、以降、映画やTVで活躍を続ける実力派俳優だ。 スコットランド人俳優のジョンは、英米を中心にさまざまな作品に出演してきた。

 

「僕にも不思議だよ。どこかの誰かが、どこからか仕事を持ってきてくれるんだ。思うに、僕らが考えるより、俳優の世界というものは狭いんだろうねえ」 ジョンの不思議も納得だ。カナダのドラマシリーズ「トランスプラント 戦場から来た救命医」のキャスティング会議でなぜジョンの名前が上がったのか？ 「僕は幸運にも『私立探偵ダーク・ジェントリー』や『エージェント・オブ・シールド』のような作品に出ているから、脚本家やプロデューサーの誰かが見ていてくれたのかもしれないね。キャスティングの過程というものは本当にミステリーだ」 ベテランのジョンが頭を掻く。きっと、プロデューサーらがいろいろなシチュエーションを想定し、たくさんの候補者の名前を出しながら、ああでもないこうでもないとキャスティング会議は進むのだろう。ジョンにとってもあくまで想像に過ぎないが。 「会議が進んでいく中で、僕の名前が上がって誰かが電話してきたのだろう。僕は脚本を読み、いろいろな質問を投げてみて最終的に脚本を気に入ったわけだ。ハムザがこれから歩む道のりにはオリジナリティを感じた」

 

ジョンがキャストされたのは緊急医療科のチーフ、ビショップ医師。彼は硬派であり、上司にするには手強い男だ。 「それは彼の中の70％を占める性格であり、残りの30％は与えられた仕事を全うする上で必要なのだろう。彼がその70％を持っていることが大切だったんだ、生と死を扱う現場だからね」 ビショップ医師の立場なら、仕事は適切に決められた順序を守らねばならない。人の生死を前に、ギャンブルもチャレンジも無用だ。 「視聴者には彼は厳しすぎる人に映るかもしれない。しかし、それは彼がいかに自分の職務を真剣に考えているかの証でもあるんだ」

 

自身のキャラクターをよどみなく説明するジョン。ビショップ医師の立場を100％理解している。キャスティング過程はミステリーなれど、もはやこのキャスティングに疑問をはさむ人はいないに違いない。

 

 

＜「brieftake.com」 　2020年8月30日＞