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Dr. HOUSE」で皮肉屋の天才医師グレゴリー・ハウスを演じた英俳優のヒュー・ローリーは、もともとコメディ俳優として世に出たのだという。 ヒューがコメディを始めたのは、ケンブリッジ大学入学の頃。同大学のコメディ同好会に入会後、コメディ・グループ「Cambridge Footlights」に参加したのだ。同じ頃出会ったスティーヴン・フライと共にコント形式のコメディ番組「A Bit of Fry and Laurie(原題)」に主演、英国における初期の出世作となった。
その後、ヒューの人気を世界的にしたのが、米国のドラマシリーズ「Dr. HOUSE」だ。 「Dr. HOUSE」クリエイターのデイヴィッド・ショアは、TVのイベントにて、主役の人選に苦労したとオーディション秘話を明かしている。 「数えきれないほど多くの俳優に脚本を読んでもらった。オーディションに来てもらった俳優もたくさんいたんだけど、上手くいかなかった。実際に(ハウス役を)演じてもらうとイメージに合わなかった。笑いを取るような演技は上手だけど、ドラマチックな演技はダメだったり。その逆もしかりさ」
ショアを始め、プロデューサー陣も頭を抱えたというが、ミラクルは最後に起こった。 「ハリウッドらしい話なんだ。ヒュー・ローリーがナミビアで映画を撮影中だという。彼のエージェントが『Dr. HOUSE』のオーディションを受けさせた」 おとぼけのヒューらしいというべきか、役についてよく分からずオーディションを受けていたとか。 「ヒューは、どうやら自分は主役の相棒役だと思ってオーディションに臨んだらしい。当時はまだ『Dr. HOUSE』というタイトルさえ決まってなくてね、名無しのパイロット版だったんだ」 もちろんショアたちがヒューに演じてもらったのは、主役ハウスの一シーン。 「彼はそのオーディションをホテルのバスルームで撮ったらしいよ。僕らはオーディション映像を見て、彼でいけると確信したね」 コメディとドラマチックの絶妙な加減がヒューの持ち味。8シーズン続いた「Dr. HOUSE」の成功は、このオーディションから始まったのだ。
<「faroutmagazine.co.uk」 1月23日>