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海外ドラマ最新レポート Vol.510  「スタートレック ディスカバリー」ソネクア・マーティン=グリーンが明かす忘れられない瞬間とは

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スタートレック ディスカバリー」でシリーズ初となる黒人女性の主人公マイケル・バーナムを演じているソネクア・マーティン=グリーン。大役を演じるにあたり、忘れられない一瞬があるという。
 
その一瞬は、「スタートレック」シリーズ全ての始まり、「宇宙大作戦/スタートレック」に唯一の黒人女性としてレギュラー出演していたニシェル・ニコルズによってもたらされた。ソネクアが二シェルに初めて会ったのは、「スタートレック ディスカバリー」のお披露目レッドカーペットでのこと。輝くほどの美貌に興奮と喜びをまとう主演のどこかに不安を見つけたのだろうか、二シェルはソネクアを端へと呼び寄せた。
 
「しっかりしなさい。あなたが主役なのよ」ソネクアの目が覚めた瞬間だった。思えば「スタートレック ディスカバリー」主演に抜擢された時、ソネクアは感じたことのないプレッシャーに押しつぶされた。「二シェルやウーピー(・ゴールドバーグ)はこの『スタートレック』シリーズを通して偉大なことをやり遂げてきました。それをプレッシャーに感じていたのです。全てを完璧にやるんだ、皆に誇りに思ってもらえるようにと」二シェルの言葉でプレッシャーはずいぶんと取り除かれた。ソネクアはプレッシャーの対象を作り上げ、自分よがりに悩んでいたのだ。黒人女性だからと気負うのでなく、主演として胸を張るべきだと気が付いた。
 
覚醒したソネクアの成長は早かった。シーズンを重ね、自信も身に着けた。「キャラクターを通し、私はずっとずっとずっと成長することが出来ました。本当の自分自身でいることにリラックスできています」現在、「スタートレック ディスカバリー」は2024年始めの配信開始に向け、シーズン5を製作中。「シーズン1のバーナムとシーズン4のバーナム、さらにシーズン5のバーナムは同一人物だと思えないかもしれません。それくらい彼女は成長したし、成熟を遂げたのです」
 
プレッシャーに震えたソネクアはもういない。人種も性別も超え、主演の威厳にあふれている。ソネクアの目を覚ましてくれた二シェルは、2022年この世を去った。二シェルの存在無しには「スタートレック ディスカバリー」での成功はなかったとソネクアは信じている。それだけにレッドカーペットでの一瞬は「本当に特別な思い出です」とソネクア。一生の記憶として自身の胸に刻んでおくつもりだ。
 
 
<「distractify.com」 2022年8月13日>