「WALKER／ウォーカー」の主演ジャレッド・パダレッキが米エンタメサイトの取材に答え、自身をスーパースターに押し上げた「スーパーナチュラル」について語っている。

「スーパーナチュラル」がシーズン15をもって終了して早2年半。ジェンセン・アクレスと共に主演を努めたジャレッドは、その終了後スタートした「WALKER／ウォーカー」が好調で、シーズン4の更新も決まっている。それでも「スーパーナチュラル」の人気は依然として根強く、北米はもちろんヨーロッパなどでもファンイベントが今も頻繁に開催されている。

 

そんなファンの気持ちはジャレッドにももちろん伝わっている。終わるのが早かった(まだ続けられたかも)との思いはあるらしいのだ。しかし、それには条件が一つ。1シーズン全22話ではなく、エピソード数を絞って制作することだという。

「ジェンセンと僕は、『スーパーナチュラル』を(1シーズンあたり)全13話にしてくれるよう、何度も何度も(放送ネットワークのCWに)お願いした。正直なところ“もしも”それが受け入れられていたなら、まだ僕らは『スーパーナチュラル』を続けていたと思うよ」

 

HBOやShowtimeなどの有料チャンネル、AMCやFXなどのケーブル局、そしてネットフリックスやアマゾンプライムなどの配信サービスもオリジナルのドラマシリーズを放送(配信)している。「スーパーナチュラル」を放送していたCWのようなネットワークのドラマシリーズとの違いは、1シーズンあたりのエピソード数だ。

ネットワークのドラマシリーズは、ヒット作であればあるほど全22話で構成されることが多い。そもそもネットワークのドラマシリーズとは、1シーズンが秋から始まり初夏に終了するのが通例。その期間を埋めるには全22話、もしくは全23話が必要なのだ。

 

しかし、それは制作側の都合。出演者にだって言い分はある。「僕らも夫になり、父親になった。そして(地元には)友達もいる。長い期間を撮影地で過ごすのは大変なんだ」

「スーパーナチュラル」の撮影地はカナダ・バンクーバー。ジャレッドやジェンセンの住んでいる米テキサス州とは飛行機で4時間以上の距離がある。二人が独身の頃にスタートした「スーパーナチュラル」も、15年の年月の間には結婚があり、家族も誕生した。彼らは気ままで身軽な独身男ではなくなったのだ。

 

それだけではない。ドラマシリーズとして最も大切なこと、クオリティの問題もある。ジャレッドは、ボビー・シンガー役を演じていたジム・ビーヴァーの言葉を引用した。「たとえ地球上最高の打者だとしても、凡打はある。テッド・ウィリアムズ(MLBレジェンドの一人)だって、23回打席に立てば、何度かは三振するだろう」(ジム)

つまり、1シーズン22話か23話も作っていれば、駄作も生まれるということ。「だから1シーズンあたりを少なくすれば、アクション満載の強力なエピソードばかりになると思うんだ。そうすれば、『スーパーナチュラル』シーズン1の『蟲』みたいなエピソードは生まれない」

 

ちなみにシーズン1第8話「蟲」(原題「Bugs」)とは、ファンの間で有名な駄作エピソード。1シーズンあたり13話で構成されていたら、決して制作されるエピソードではなかったと言いたいらしい。とはいえ、「スーパーナチュラル」が続いていたら、「WALKER／ウォーカー」は制作されていないたはず。ファンにとっては、なんとも悩ましいジャレッドの“もしも”話なのだ。

 

 

＜「tvinsider.com」5月11日＞