その大女優とはエマ・トンプソン。もちろん二人が無名時代の話だ。ヒューとエマはケンブリッジ大学在学中に出会い、共にコメディグループに所属していたことはよく知られている。思えば、当時からトガりまくっていたであろう二人が、交際していたことは想像に難くない。
「実は、僕らが10代の頃、少しだけ付き合っていたことがある。だけど彼女がパントマイム師と付き合いだしちゃって、僕は振られたのさ! もう一度言うよ、エマは僕を振って、パントマイム師と付き合ったんだ。ありえないだろ!!」(ヒュー)
二人の過去のロマンスを明かしたヒュー。パントマイム師に偏見はないが、エマを取られたことは今も悔しい思い出なのだ。「彼女は嫌になるくらい才能あふれる人だったよ。何でもできてしまうのさ。服のセンスもいいし、自転車だって上手く乗りこなしてた。スパゲティ料理なんてお手の物さ。なんて忌々しいんだろうね!」(ヒュー)
ジョークを交えてエマの才能をほめちぎるヒュー。自身も才能豊かな俳優だが、そのヒューがこんなに嫉妬しているのだから、エマはとにかく何でもできてしまう人なのだろう。
ヒューのコメントを聞いたのか、エマだって負けてない。「ヒューは物憂げなムードがセクシーに見える稀な才能の持ち主です。まるできちんと吊るされたウナギを見ているみたいにね」(エマ)
癖のある表現だが、間違いなく誉めている。
当時のヒューについては「彼はケンブリッジ大学のボート部で、オックスフォード大学との対抗戦にも出ていたんですよ。体も大きくて、ステーキばかり食べていました。それ以外の時間は寝ていましたね。だけどセクシーでした」(エマ)
最後の一言は慌てて付け加えたのかもしれないが、当時のヒューは体育会らしい生活を送っていたのだろう。正反対に繊細なイメージのあるパントマイム師にエマが惹かれてしまったのも、10代の若者らしい気まぐれだ。
お互いに舌戦を仕掛けるのも仲の良い証拠。10代で出会った二人も今や60代半ば。若き日に始まった友情はこれからも続くことだろう。
<「hellomagazine.com」4月9日>