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NCIS ネイビー犯罪捜査班」のマーク・ハーモンが、新刊本「Ghosts of Honolulu: A Japanese Spy, A Japanese American Spy Hunter, and the Untold Story of Pearl Harbor(原題)」を共著、今秋に出版されることが分かった。
同書の題名を翻訳すると、「ホノルルの亡霊:日本人スパイと日系米国人スパイハンター パールハーバーの語られざる事実」。第2次世界大戦時のハワイで、米海軍情報部唯一の日系諜報員ダグラス・ワダと、米軍艦隊の情報を収集するため送り込まれた日本人スパイ、吉川猛夫の暗躍がテーマとなっている。
「本に書かれていることは、すべてが事実だ。現実に起こったこと、つまり僕ら米国民の歴史の一部なんだ」
米誌の取材に対し、マークは熱く語る。「NCIS」シリーズのために創作されたシナリオではない。埋もれていた史料を掘り起こすと、これまで知られてこなかった興味深い史実が見えてきたというのだ。
同書は、彼らの諜報合戦とそれに巻き込まれたハワイに住む日系人についても描かれている。当時ハワイの日系人は米国本土から伝わる反日熱に耐えていた。他州のように、無実の彼らを日系人収容所に抑留することなきよう、抵抗した米諜報の専門家たちも存在したという。
マークと彼らの組織とは深い縁がある。ダグラス・ワダの所属していたONI(アメリカ海軍情報局)から派生して1966年に設立されたのが、NIS(Naval Investigative Service)。やがてNISにおける犯罪追及の役割を強調するため、1992年、NCIS(Naval Criminal Investigative Service)に名称変更された経緯があるのだ。
「『NCIS ネイビー犯罪捜査班』がスタートした時、(米国人の大部分は)NCISなる組織について何なのか、存在さえも知らなかった。だから僕らは、ある意味、NCISをジョークのように扱っていたんだ。けれど、実際の彼らはジョークとは無縁の困難な事件に直面する毎日を送っている。この本を発表することで本物の彼らがどんな任務についていたのか分かってもらえるとしたら、これほど嬉しいことはない。僕にとっても学びの多い仕事になったよ」(マーク)
マークと共に執筆したのは、レオン・キャロルJr.。キャロルJr.は、米海兵隊を経て約20年の間、特別捜査官としてNICSに勤務していた。退職した後、テクニカルアドバイザーとして開始当時から「NCIS ネイビー犯罪捜査班」に参加している。
キャロルJr.は、「この本で、NCISを読者に違った角度から見てもらえると思います。私たちが毎週発生する殺人事件を解決する以上の存在であることを知っていただきたい」と、古巣本来の活動について理解が得られることを願っているという。
「Ghosts of Honolulu: A Japanese Spy, A Japanese American Spy Hunter, and the Untold Story of Pearl Harbor(原題)」は米国では、11月14日発売の予定。ハーパーコリンズ・フォーカスの新レーベル、ハーパー・セレクトから出版される。
<「people.com」 6月29日>